発表会「不条理な世界たち」無事終了いたしましたーーー!!!

6月28日(日曜日)武蔵野芸能劇場においてマチネ11:30~ソワレ15:00~2回とも無事終了いたしましたーーー!!!ありがとうございましたーーー!!!

まずは、ご来場くださいましたたくさんの皆さまに厚く深く御礼申し上げます。今回は過去最高数のお客様に来ていただきました!何度も来てくださっている方も、通りがかりの方も、皆さま本当にありがとうございました。お花や差し入れもたくさんたくさんいただきまして、本当にありがとうございました。

参加してくださった会員さんたちも、3日間、お忙しいなか、お仕事されてる方はお仕事お休みしていただいたり、お母さんにおかれては、お家を留守にしていただいたり、ほかにもこの日のためにいろいろ融通きかせてくださったわけですから、本当にお疲れさまでした。ありがとうございました。

本当に皆さまのおかげで、大・大・大・大・大成功でした!!!!!皆さん、本当にカッコよかったんですよーーー!構成・演出に加え、今回は、特別出演もした清家さん!レッスンの時も、もちろん本気モードですけど、この日はさすが本職、って感じで(当たりまえか)、間近で見ると、トリハダものの大迫力!演出もプロンプターも全部一手に引き受けて、とても大変だったと思いますが、カーテンコールでは、出演者たちに客席からひときわ大きな拍手を送ってました。

さて、やっとネタバレも解禁したことですし、いろいろ書きたいところですが、何から書いてよいのか、盛りだくさんすぎるーーー!

演出について

えっと、まず、清家さんが演出するっていうと、お客様が受付に来たときからビックリさせる、という、そこからいろいろサプライズがありまして。受付は、なんと、全員ナース姿で、お・で・む・か・え。受付前で、皆さま「!?」と、一瞬動きが止まっていらっしゃいました。そして、前説(携帯電話を・・・っていうような)が始まると、また「!?」っていうサプライズで、普通マイクを使って放送するところ、これまた女性出演全員で、ナース服を来て客席に現れ、客席中を歩き回りました。怖い、気味悪い、といった声もありましたが・・・それもひっくるめて楽しんでいただけたかと。でも、人生初めてナース服を着たっていう人も多く、皆さん、かなりノリノリでした!笑

( ↑ ノリノリな人たち)

あーん、受付から書かなくちゃいけないから、なかなか本編にたどり着けないじゃないですか、清家さん!大勢のナース姿の会員・スタッフのお出迎えから始まった「不条理な世界たち」は、開演時間になると、ピコーン、ピコーン・・・というチャイムが鳴り、客席にいたナース服たちが、一斉に舞台に上がっていき、「不条理な世界たち、ごゆっくりご堪能ください!」という全員の声が合図となって舞台と客席の照明が暗転し、ブオーーーというバイクの音が鳴って、マチネの回が幕を開けました。

演目について

リーディングの「暴走族」。

「今夜の俺は、誰にも止められねえ――」「やばいっすね」「ついてきな!」「オス!」と、走り出す先輩こと〈暴走エクスプレス〉と、新入りのヤス。人の迷惑お構いなしの超札付き極悪非道の暴走族、のはずが、交通ルール守りまくり、礼儀正しいことこの上ない。そこに登場した「兄貴」も、さらにその上をいく超安全運転!

2名の初参加の会員さんと、2回目出演の会員さん。初舞台とは思えないほどの落ち着きっぷりの初参加組の、生き生きした表情と演技、そして、さすが2回目、お2人をリードする会員さんの抜群の安定感あるセリフ回しで、完全に観客の心を完全に捉え、「人心事故」「誘拐」と、同じ3人が演じて、不条理なコントが続いていきます。

客席があったまったところで、次の作品

「舞え舞えかたつむり」。

ここで、ズーーーンと舞台の奥から7段飾りのひな人形が登場します。(蜷川さんだと、人間ひな飾り?)

これは実際にあった事件のベースに書かれたそうで、凄惨な描写もある、ちょっとホラーな作品です。この作品に登場した会員さんたちも、尊敬しちゃうくらい上手な方たちで、静かな中の狂気を存分に発揮してくださって、会場がシーーーン・・・と静まり返りました。

ここで、休憩を10分はさみ、次はドラマメイキングの部、

「親不孝」

日雇い仕事のお父さんと、貧しい家計を支えるお母さん。で、娘は不良。親の言うことを聞かず、成績は優秀だわ、献血はするわ、赤い羽根に手を染めるわ・・・って、おいおい「いい子」じゃないですか、っていうところがこの「親不孝」。初参加のお父さん役の方が、いい味出してて、本当に娘を叱ったり、お母さんと仲睦まじい感じがとってもリアルでした。

お母さん役の方は、前回「岸田國士の短篇集たち」で、初参加にもかかわらず、なんと料理しながら演技することに挑戦し、なんなくこなした芸達者な方。今回も洗濯物をたたんだり、ひっくり返されたちゃぶ台を片付けたりと、セリフ以外にもたくさんやることがあったけれど、アドリブも含め、本当に舞台にいる時はずっと「お母さん」でした。素晴らしかったです。不良娘は、「シェイクスピアの作品たち(第3回発表会)」以来のご参加の会員さん。お2人を引っかき回す弾けっぷりを見事に表現!このお3方のチームワークは素晴らしく、終わった後に拍手が湧き起こったくらいでした!ブラボー!

「受付①(前半)」。

神経を病んで、神経クリニックの受付に来た患者。が、寄付やアイバンク登録を勧められたりして、なかなか受付してもらえない。この方たちは、もうベテランの域で、このお3方の掛け合いは本当に漫才のようで、会場の空気をまさに「不条理ワールド」にしてくださいました!電話の扱い方や、筆立ての落とし方は、「こういうのちゃんと出来てると、稽古したってわかるんだよね」という清家さんのアドバイスを踏まえ、何度も何度も練習した成果が、いかんなく発揮されていました。ドラマメイキングって、セリフだけじゃなくて、こういう細かいところまで、きちんと練習しているんです。そういう積み重ねが、芝居の厚み、というか、深み、みたいなものになっていくのでしょうね、きっと。

さて、次はお待ちかね、清家さんも特別出演の「海ゆかば水漬く屍」です!

あらすじ

これはある男が、心に負った苦しみを、別の肉体的苦痛によって忘れようとする、っていうお話。いやーーー、会員さんたちもすごいけど、さすがプロでした!会場の大きさに合わせて声を響かせるところとか、メリハリつけてお客様の視線を釘づけにするところとか、なんだろう・・・言葉が浮かばないけど、やっぱりプロでした!清家さんと共演する幸運に恵まれたお2方は、キュートで小悪魔で、本当にキラキラ輝いてました!それに、清家さんとルームメイトなんてあり得ないのに、心の距離感とか、見事にルームメイトに見えました!

〈閲覧注意〉

そして、舞台はクライマックスへ

「受付②(後半)」

この、なかなか受付てもらえない可哀そうな患者さんは、寄付、アイバンクに加え、遺体献体、安楽死など、さらに次々に訳のわからないものを勧められていき、もともと病んでいたのに、最後には壊れていってしまいます。患者さん役には、そういう訳のわからないことに巻き込まれ翻弄される、ナチュラルな演技ができる方を、受付嬢役には、有無を言わせず患者を追い込むドSな演技ができる方を、と、たぶん清家さんは配置したんだと思うんですけど、本当に配役も素晴らしかったです!

結局、壊れてしまった患者が見たものは――

地の底から湧いてきた更なる受付嬢たち!舞台の奈落から、キリ穴を通って這い出てくる、今回いちばんの魅せ場!!!!!これは、我々はみな舞台ウラにいたので、正面から見てないのですが、観た人によると、とっても不気味だったそうです。なおかつ、スタイリッシュで!

清家さんのしてやったりの演出、ここに極まれり!!!!!こうして、万雷の拍手のなか、第1部〈マチネ〉の回は幕を閉じたのでありました。

リーディングの部の「暴走族」「人心事故」「誘拐」は、〈マチネ〉の時と同じ、お3方が演じてくださいました。これは、打ち上げの時に、そのうちのお一人がおっしゃていたのですが、(発表会2回目の参加の方)このまったく同じことをやっているのに、お客様の反応が全然違って、ちょっと動揺してしまったそうです。(そうは見えませんでしたが・・・)これって、経験してみないとわからないことですよねー。

マチネソワレ一緒のキャストだったのは、このリーディングの冒頭3作品だけ。たいていは、お客様の前で演じるのは1回だけなので、反応を比べられる(構成の)機会があるのは、発表会においては本当にまれなことです。2回目のご参加とあって、お客様の反応を見る余裕があったということもあるでしょうし。きっと、「表現する」っていうことにおいて、とてもよい経験になったのでは、と思います!

後半戦

「舞え舞えかたつむり」。

ひな壇が登場して、ソワレのキャストの演技が始まりました。

実は、全体練習を5月の終わりにやった時、この作品で清家さんがやりたかったことがやっとわかった、といいますか、「は~、こうやって演じると、素晴らしい作品になるんだ~」と、度ギモを抜かれた思いだったのでした。

ゆったりとしっとりと始まって、途中激しく荒々しく、そして余韻を残しつつひっそり幕を閉じていく――そんな音楽のような流れのある作品でした。最初読んだとき、あまりの描写に、「ひえーーー」「ぎえーーー」とか思ってたことを思うと、この作品に参加された方たち(マチネの方も合わせて4名、通称「舞え舞えチーム」)の表現のセンスは、わたくしごときとは、雲泥の差なのだとつくづく痛感しました。お客様からもとても好評をいただいましたし、これをいつかドラマメイキング・クラスでやってみたい!という方もいらっしゃいました。

「親不孝」

お父さん、お母さんと、不良娘。不良娘・・・大変「昭和」の香りがする不良娘でございます。お母さん役の方は、マチネで「受付」の患者もやっています。こちらは助っ人で入っていただいたのです。

この3人のなかでいちばん若い、男性会員さんが、お父さん役。いつもはほかのお2人のほうが、お母さんみたいに世話を焼いてくれている、っていう。そんな、いつもはほのぼのしている、この「親不孝ソワレ」チーム、本番は渾身の演技で、場内大爆笑となりました!

馬鹿馬鹿しいのをめちゃくちゃ真面目に、リアルに、その対極を表現することで、こういった作品のクオリティは、どんどん上がっていくんだなーと、稽古過程から見ていて、本当にそう思いました。

「受付①(前半)」。

この方たちのは、稽古段階から大爆笑してました!患者のおとぼけな感じと、冷たい受付嬢の対比が、もう可笑しくって!これこれ、こういうのが観たかったんだー!実際の日常にも、意図せず、大爆笑なことが突然起こります。そんな、「あっ、こういうことありそう」感が、このチームにはあって、わたくしにはツボでした。

その次、清家さんが2度目登場です。

「海ゆかば水漬く屍」

こちらは、マチネのキャストと比べて、ちょっとおねえさまチーム。しかも普段から演技達者な方たちで、清家さんとのルームメイト感はバッチリでした!って、ここがポイントで、マチネのときの解釈とは全然違って、前半は笑い飛ばしたりして、清家さん演じる「男」と近い距離感を出しておきながら、最後の最後には、高みからあざ笑うかのような、遠い距離感を!マチネ・ソワレ観ることができた幸運な方は、演じる人によってこんなにも違うんだ、っていう対比を見ることができたことでしょう。

次はラスト

「受付②(後半)」

患者がだんだん壊れていくところです。

「受付」は、前半・後半と2部に分けて演じていただいたのですが、よく考えてみると、後半を演じる方々は、前半のエピソードを踏まえて演じる必要があるわけで、そういう点で、いろいろ難しいことがあったと思います。しかし、そこに配置されていたのは、マチネもソワレも、発表会やドラマメイキング・クラスの経験が少なくとも4回以上の常連の皆さん。なるほどー、清家さんも考えてるんですねー。(って当たりまえ・・・)それに応えるキャストの皆さんも、ホントすごいですよー。このパートは最終的に、この発表会全体のエンディングにもなっていくので、リレーのアンカーに相応しく、さすがな演技だったと思います!思います・・・としか言えないのは、エンディング前はみんな、舞台ウラ(幕のうしろ)にいるからなんですねー。

奈落に入る準備をみんなでしていて、フタを開けて、順番にハシゴを伝って下りていきます。そして、舞台に通じるフタの下で、じっと息をひそめて、開ける合図(ギーーーって音がする)まで待っているんです。終始無言のこの作業、緊張感があって、とーーーっっっても面白かったです!ナース服も初めてなら、奈落に入るのも、たぶん皆さん初めてだったと思いますので、よい思い出、いい経験だったのでは、と思います!ちなみに、このフタは、通常は、このように簡単に開くような仕組みにはなっていません。清家さんのリクエスト(下から簡単に開けられるよう)に、舞台監督さんが作ってくださった、手作りの特注品です!中にも、ハシゴを付けてくださって、出入りしやすい工夫もしてもらってました。というより、この舞台監督さんは、清家さんや、我々スタッフたちよりはるかに、安全面に厳し・・・いや、考慮してくださいます、ありがたいことに。(安全あっての成功ですから!)

カーテンコールも終わって、お客様のお見送りも終わって、再び劇場に集まって、閉会式を行ないました。この時、発表された新記録が2つ!1つは、観客数が、これまでの最高だったこと。たくさんのご来場、本当に本当にありがとうございました!!!!!そして、もう1つは――清家さんや、お手伝いの飯田さんがプロンプターをしてくれていましたが、(プロンプター:忘れたり、間違えたセリフを影から教える係)なんと今回初めてノープロンプだったことが発表されました!すっごいなあ!皆さん、努力が素晴らしい!清家さんが、毎回、いろいろ新しいことにチャレンジさせてくださるおかげで、会員さんたちも本当に、個としてもチームとしても、だんだん成長してるんでしょうね!わたくしは、そういうのを間近で見られて本当に幸せです。皆さま、本当にありがとうございました。

 

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