ご来場ありがとうございました!第5回発表会『王女メディア』

当日までのリハーサル

いよいよ今月の16日に迫ってきたシナリオクラブ第5回発表会
「詠み芝居実験劇『王女メディア』」!

2週間前となる先日の日曜日、有志による合同自主練習を行いました!

この日は、前日『冬眠する熊に添い寝してごらん』の東京公演・千秋楽を迎えたばかりの清家さんが来てくれるということで、発表会に出る方の大多数の方がご参加されました。集まったときから、みなさんとてもやる気に満ち溢れてて・・・スタッフの胸は熱くなりました!場所は、シナリオクラブだと入りきらなかったので、吉祥寺のコミュニティセンターで行いました。実際の舞台より少し狭いくらいだったので、動きをつけながら行なうことができました。

わたくしも、各クラスのみなさんの成果を見るのは初めてだったのですが、セリフを覚えているのはもちろん、
セリフに込められたもののクオリティの高さにビックリ!初対面の人同士も、このお芝居のパワーによって、ググッとまとまって、コロスのセリフなんかもとっても合ってて、感動しちゃいましたーーー!

何より、清家さんがいちばん嬉しかったんじゃないでしょうか。時間の関係でセリフを中抜きしなければならなかったんですが、「もっと観ていたいけど・・・」って、残念そうに言ってました。そう、舞台の本番で清家さんが来られないときは、本家の『王女メディア』の舞台に実際に出演されてた、青山達三さんや、角間進さんが全面協力してくださって、細かいところまでアドバイスをしてくださっていたのです!あと、『王女メディア』には出てなくとも、同じギリシャ悲劇の『オイディプス王』に出演されてた塾一久さんの強力アドバイスもありましたし!青年座の平尾仁さんも、劇団では絶対ギリシャ悲劇とかやらないのですが、(青年座さんは新作オリジナルが多いですから)ビデオを観たりして研究してくださって、熱いアドバイスをしてくださってましたし!

この続きは、リハーサルで!ちなみに、この日来られなかった出演者の方の代役をしたわたくし。3~4人分のセリフを言っていたら、前半でノドがカスカスになってしまって・・・いや、ノドはけっこう強いほうなんですが。それだけみなさんの力強いセリフに負けまいとし、
知らず知らず必死に頑張っちゃってたんですかねー。ははは。「これ、よかったら」とマイのど飴やマイトローチを優しく差し出してくださった方々、本当にありがとうございました。(うるる・・・)というわけで、本番に向けてめちゃくちゃボルテージは上がってます!スゴイ!スゴイですよ、みなさん!!!あとはみなさん、体調管理だけ気をつけてくだされば・・・

 

本番当日

 

2月16日(日)13時と16時にシナリオクラブ第5回発表会「詠み芝居実験劇『王女メディア』」開催いたしました!

素晴らしい大熱演でした!!!!!まだ余韻にひたっています2日前の金曜日の午後から降った大雪の影響で、開催そのものも危ぶまれましたが、日頃の行ないが良かったため無事に予定通り行なうことができましたー!お客様にもたくさんいらしていただいて、本当に感謝!感謝!大感謝です!

ああ!それにしても!2月の発表会はとても大変でした。雪に見舞われたのは初めてでしたが、この時期はインフルエンザや風邪なども流行りますし、皆さん体調が万全ではないなか、また交通機関が大幅に乱れ、この劇場までの足が確保できない危険性もあったなか、全員揃って開催できたのは、本当に本当に嬉しかったです!

 

まずは2日前の全体練習にさかのぼります。

全体練習1日目。(2月14日金曜日)

この日は、午前中から集まって、じっくり全体練習をするはずでした。ここまでの稽古期間で、創りあげたものを、清家さんがさらに磨きあげるはずでした。が。この日は夕方から雪の予報。劇場は午後23時まで借りていましたが、遅くとも18時までには帰りましょう、ということで、主にキッカケのところ中心にやりました。素あかりの素舞台で、1日目はこんな感じ。

雪は、予想より早く降り始めました。2グループあるうちの、1グループの練習を終えたころには、世界はもう真っ白に!そこに「中央線が止まった!」との情報が入ってきたら、一気に不安な空気が漂いはじめました。(結局それは、雪のせいではなく、やがて動き出したのですが)もう1グループやってしまうか、早めに切り上げるか・・・その前の週にも大雪で大混乱したこともあり、その日は早めに切り上げることにして、次の日の予報は雨だったし、予定より早く集合することにして解散となりました。

しかし駅のバスもタクシー乗り場も、ものすごい行列・・・なんとかかんとかその日は帰れました。

その日の夜。夜には止むはずだった雪は一向に雨にならず、不安なまま朝になってしまいました・・・

2日目。朝。(2月15日土曜日)

世間一体真っ白な世界。テレビのニュースは朝から交通機関のパニック状態を伝えている。そして、出演者の方ばかりでなく、舞台監督からも(!)「雪で家から出られません!」「電車が止まってて、いつになるかわかりません!」とかの連絡がジャンジャン入ってきました。「動けるようになってからでよいので、とにかく来てください!」そういうわたくしは、待っててもバスもタクシーも一向に来る気配がなかったので、覚悟を決めて劇場まで歩き始めました。(シナリオクラブのためなら頑張れるわたくし。)でも、劇場につくと、「すんなり来られましたーーー」とおっしゃって一番乗りされた方の元気なお顔を見られて、ひと安心!集合時間の11時になる頃には、やっとの思いで集まってくださった皆さんが、7割がた。おひとりおひとりのお顔を見るたび、どんなに嬉しかったことか!

前日、練習できなかったもう1グループの練習を開始。(わたくしはまだ来てない方の代役をやらせていただきました。素晴らしい役者さんたちと共演できて光栄!

練習しているうちに、少しずつ交通機関が回復し始め、徐々に遅れた方たちも集まってきました。・・・とまあ、そうこうしているうちに、15時くらいにはほとんどの方が来てくださいました。
舞台監督さんも、午前中にやるはずだった照明・音響の仕込みを大急ぎでやってもらい、やっと舞台が整ったところで、さあ場当たり(音響と照明のキッカケ稽古)とゲネプロ(本番と全く同じ条件で行うリハーサル)!ってなるところなんですが、スケジュール的に、2グループともゲネプロをやる時間はない!かと言って、明日ゲネプロをやるとすると、両方出演する3名の方が、3公演分やらなくてはならなくなってしまう!さて、どうしたものか・・・。

二転三転して、A班(第1部の出演者)で場当たり、B班(第2部の出演者)でゲネプロをやることになりました。(A班の方、本当に申し訳ございませんでした)でも、本物の照明と音響が入ると、やっぱし違いますねーーー!音楽に合わせて、少しずつ客席から舞台に上がっていくオープニングから、「皆さん、超カッコイイ!!!」と、心の中で叫んでしまいました。(ちなみに、観に来てくださった方々にも大好評でした!)皆さんのやる気と集中力も、グンと上がったと思います!いつも、清家さんの音楽選びから演出のセンスの良さには舌を巻いてしまいます。(ちなみに、わたくしは、場当たりの時には、音響さんのお手伝い、ゲネプロの時には、清家さんの演出のお手伝いをいたしました。本当はプロンプターをやるはずだったのですが、急きょ、お手伝いに来てくださっている会員さんにお願いしてしまいました。実は前回発表会の時もプロンプターをやっていただいたのですが、疲れたからもうやりたくないっておっしゃってたのに・・・スミマセン!でも快く引き受けてくださいました

ゲネプロはもう、本番さながらのハイクオリティ!皆さんの高まってきた表現力、気持ちのこもった演技に圧倒され、正直、段取りとか細かいことなんかどうでもよくなってしまうくらい感動して、
途中から涙が勝手にこぼれてきました。スゴイ!スゴイんですよ、ホントに!皆さん!!!!!大雪や、寒さによる体調不良、このところの練習の疲れなど、いろいろ万全ではないなか、やはりシナリオクラブはスゴイ!!!!!胸が熱くなる、心が震える、感動する、言葉にするとそんな感じの状態になりました。「こんな素晴らしい舞台に関われるなんて、幸せだーーー!ありがとう皆さん!」心からそう思いました。もう演じる方はもう完璧!あとはスタッフが明日の本番を万端にサポートするだけだー!そして、今日一人だけ最後まで来られなかった方が、(電車が終日運休だった)明日無事に来てくだされば・・・「神様!お願い!全員で明日できますように!」そうお祈りせずにはいられませんでした。

2月16日。本番当日。朝。

この日の朝は、前日、ただ一人劇場までたどり着けなかった出演者の方の、ショートメールから始まりました。「なんとか電車に乗ることができました。」あーーーよかったーーーー!!!本当にもう、ただもう、嬉しかったです!!!すぐに「ありがとうございます!!」とお返事を送りました。

劇場には、ほぼ予定通り、皆さん集まってくださいました。そして、昨日来られなかった方の部分と、ラストシーンをやりました。すごーーーい!また一段とパワーアップしている・・・!昨日、「とにかく来てください」としか言えなかった、頼りないスタッフにもかかわらず、何時間もかけて来てくださった方々。そのことに対して、誰も文句も言わず、それどころかスタッフをねぎらってくださる皆さん。練習時間が少ないなか、合わせるのが難しかったコロスの動きの練習を、A班・B班両方出演してくださる方を中心に、一生懸命合わせようと練習してくださったリーディングの皆さん。皆さんの優しさと一生懸命さ、強さに胸一杯になりながら、あとはお客様に喜んでいただけるように、精一杯準備するだけです!

さてさてさて、ちょっと雪の話題が多くなってしまいましたが、(愚痴はこのくらいにして・・・)今回の発表会公演は、初めて1本の長編作品を演じます。前回の三島由紀夫作品は、抜粋ではありませんでしたが、近代能楽集という短編集のなかからの3つの作品を演じましたから、長編1本は、初めての挑戦。今年もステップアップしているわけです!しかも、昨年の発表会後から「ドラマメイキング・クラス」という演じるクラスができました。これまでは「台本を持ってもいいし、持たなくてもいい」みたいな感じだったのが、今回は演じたい人は、ドラマメイキング・クラスに入って、セリフを覚えて演じる、ドラマリーディング・クラスの人は台本を持って読む、というふうに、参加申し込みの段階から分けました。

蓋を開けてみると、発表会だけはドラマメイキングに挑戦したいと、セリフを覚えて演じることに挑戦される方の方が多かったですし、初めて発表会に参加の、初めて舞台に立つという方も、ドラマメイキングを選ばれる方の方が多かったです。初参加の方々が、最初は、セリフを覚えて立って演じてらっしゃることだけでも、わたくし感動していたのに、だんだん、声も出てくるようになり、上手くなってこられると、ますます感動が大きくなっていったのでした。発表会経験者である、周りのお姉さんたちの支えも心強かったと思います。それから、普段から「ドラマメイキング・クラス」でやっている方々は、さすが!という感じで。自主練習の時間もそうとう費やしてらっしゃったようです。セリフの運び方はもちろん、指先から目の動きまで考えられてて、動きだけ見ても、声だけ聞いても、その役だとわかるようでした。「王女」というだけあって、登場人物はみな身分の高い人たちですが、気品や風格まで表現してくださってたように思います!

さあ!あっという間に、開場時間の12時30分。すでに受付前には何名かお客様が並んでくださっていました。「お待たせいたしました。開場時間です!」こうして、シナリオクラブ第5回発表会「詠み芝居実験劇『王女メディア』」の幕が開きました!

受付には、出演者のご招待者や、シナリオクラブの会員さん、インターネットを見たという方、ぞくぞくといらっしゃいました。まだ雪がたくさん残るなか、本当に感謝申し上げます。客席はありがたいことに、ほぼ満席!!!13時の回は、結局ゲネプロができなかったA班から。さぞ緊張なさっていたことでしょう。客席から清家さん、羽子田洋子さん、塾一久さん、A班のときにはB班の方々が、B班のときにはA班の方々が見守るなか、(わたくしは袖から。祈るような気持ちで)あのカッコいいオープニングからスタートーーー!!!

切込隊長は、リーディングの方から!緊張感と高揚感で、皆さんとてもいい表情をなさっていました。

メディアの情 ――愛情、激情、情熱、憐情、切情、哀情、非情・・・いろいろな情感がうずまいて、
その激しいぶんだけ切なくて、観ているこちらの心も激しく揺さぶられていきました。客席からはすすり泣く声があちこちから。(もちろんわたくしは号泣

そんな「うねり」のようなものに揺さぶられているうちに、ラストシーンになっていました。リーディングの人が全員メディアに、メイキングの人が全員イアソン(メディアのにっくき夫)になりました!メディアの壮大な復讐の終焉。その迫力の凄まじいこと!!!!!アンケートにも、ラストシーンがいちばん印象に残ったという方がたくさんいらっしゃいました。カーテンコールには、初めてアンコールがかかりました!まさに、激動の「詠み芝居実験劇」!清家さん、本当に素晴らしい演出ありがとうございました。ここで、この『王女メディア』に多大に協力してくださった、青山達三さんと、角間進さんのことも触れておかねばなりません。

蜷川さんの『王女メディア』初演から出演されており、「コロス」などの役で、海外公演を含め、『王女メディア』だけで200を超えるステージを踏まれた方々。(コロスとは、ギリシャ劇における、「登場人物」と「解説者」の中間にいる役。この『王女メディア』では、舞台である「コリントス」の女性たちという位置づけ)このお二方がこの劇に命を吹き込んでくださったと言っても過言ではありません。「実際に演じていた方々から教えてもらえるなんて!」と、皆さん喜んでくださっていました。ことに、この劇の「コロス」へ魂を注入してくださったと思います。そして実際「コロス」を演じて(読んで)くださったシナリオクラブの「コロス」さんたちは、メディアに心から同情したり、必死に説得しようとしたり、健気だし、一生懸命だし、本当に心打たれました。「メディア」のシーンでは、鳥肌が立ったり、涙がつつーっとこぼれてきたりしましたが、「コロス」のシーンのときには、涙がぶわっとあふれてきました。また、このお二方のほかのアドバイザー、塾一久さん、平尾仁さん、松田かほりさん、近藤結宥花さんも、『王女メディア』を読み込んで、たくさんのアドバイスをしてくださいました。本当にありがとうございました。

雪には本当に悩まされましたが、こんなに一つにまとまった舞台になるなんて、感激でした。観終わったお客様から、「よかったわー」とお言葉をかけていただいて、さらに感慨もひとしお。感無量・・・こんな素晴らしい舞台に関われて、なんて幸せな人生なんだろうと、発表会が終わって1週間くらい経った今でも、しみじみ思ってしまいます

出演者の皆さん、清家さん、アドバイザーの皆さん、お手伝いしてくださった方々、そして、この舞台を見守り見届けてくださったすべてのお客様、本当に、本当にありがとうございました。

そのあとには、お待ちかねの「打ち上げ」!(わたくしは密かにこれをいちばん楽しみにしている)

やりきった解放感、晴れやかな笑顔、お互いがお互いを褒めあったり、慰めあったり、「もおーしわけございません!」と謝ってたり(笑)、なぜか舞台監督さんも来て、さむーい一発ギャグをしてくれたり笑顔、笑顔、そして涙・・・。清家さんも嬉しそう。「いつか、ボクと共演しましょうね!」(っっって、それっていちばんの褒め言葉じゃあありません!?)

またこんな感動的な発表会ができて、本当に幸せでした。この幸せな余韻はいつまで続いてもいいなあ・・・というわけで、ここに関わってくださったすべての方に、心から感謝いたします。ありがとうございました!!!!!

また次の発表会でお会いいたしましょう!!!!!

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