1月リーディングパーティ『紅テント女優と唐十郎作品を読む』報告

1月27日、午前と午後の2回にわたり、『紅テント女優』こと、劇団唐組の赤松由美さんをお招きして、2008年にご自身が主演されたこともある、『ジャガーの眼』を参加者の方々と楽しく読み合わせをしました。

劇団唐組の前身である状況劇場の解散する少し前に、寺山修司さんへのオマージュとして書かれたこの作品は、唐組となってからもよく再演されてきた非常に人気のある作品です。唐さんの数ある作品のなかから候補を選ぶにあたって、「これは私のいちばん好きな作品」、これなら皆さまに喜んでいただけるのでは、ということで、赤松さんが選んでくださいました。

今回、参加してくださった会員さまのなかには、午前・午後とも、ディープに唐さんの作品が好き!という方が参加してくださってまして、赤松さんとの読み合わせを心から楽しんでくださっていたとともに、赤松さん以上に熱く作品を解説してくださっていたので、赤松さんも大変喜んでいましたし、その方が読むと、ほかの方のリード役にもなってたりして、とっても助かりました。

ですが、ほとんどの参加メンバーは、唐さんのお芝居は、2012年、唐さんご本人と、シナリオクラブ・チーフアドバイザー清家さんもご出演されていた、『下谷万年町物語』しか観たことがない、という方や、1本も観たこともなければ、読んだこともない、という方もいました。なので、読み合わせるにあたって、よくご存知の方はともかく、あまり知らない方にとって、唐ワールドは理解できるだろうか、という懸念はありました。

この物語の冒頭、いきなり「8枚の戸」が舞台を戸だらけにしたりしますし、屋台のような、「サンダル」が探偵社だったり、自らの肉体を「肉体植民地」に改造した外科医とか登場しますし・・・でも、読み始めると、そんな懸念はまったく吹き飛んでしまいましたっ!!!!!シナリオクラブの会員さまは、なんて素晴らしい役者さん揃いなんでしょう!!!

難解なストーリーも、ダジャレで横道にそれていくストーリーも、しっかり自分のものにして、読んでくださるではありませんかっ!!!!!しかも、実際演じられた舞台より、セリフをじっくり、しっとり読んでくださるので、唐さんの大事にされている言葉がしっかり伝わってきて、登場人物の悲哀も、可愛らしさも、いじらしさも、すべてが感動の渦にーーーーー!

途中途中、ぐっっっと、こみ上げてくるものがありました!わたくし、赤松さんから貴重な音楽をお借りしてまして、実際の音響さながらに、音楽をかける係を担当させていただいていたのですが、(途中、音が出なくなって焦りましたが・・・)ラストシーン、手が震えるほど感動しました!
号泣ーーーーー!!!!!ことのほか、赤松さんも感動されたご様子で、読み終わったあと、誰誰さんのあのセリフがーーー、とか、役者さんにはない言い方、解釈に、いつまでも興奮が冷めない様子で、熱く語ってくださいましたご自分の役だったセリフも、「こういうふうに言えばよかったんだなあ」
って感激されていたようでした。(とっても謙虚な方ですよね

会員さまにも、赤松さんにも、こんなに喜んでいただけて、スタッフは本当に本当に嬉しかったです。

そして、やはり唐十郎さんの天才っぷりというか、奇才、鬼才っぷりもあらためて実感させられました。紅テント・劇団唐組の次回の春公演は、こちらも人気のある作品で、『鉛の兵隊』だそうです。もちろん赤松さんも活躍されるので、観に行きましょうねーーー

今回、参加できなかった方からも、またやってください、というお声をいただいたので、是非また唐さんの作品をやりたいと思います。(今年、蜷川さんも唐さんの作品2本演出されるみたいですしっっっ!よけいに楽しみが増しました!!!!!)皆さま!感動のリーディングパーティ、本当にありがとうございました!!!!!

 

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