【続】素人が舞台稽古に出て、難しさも知った瞬間。

先週のお話。


あの経験から、舞台の楽しさがちょこっとわかりました。

素人が舞台稽古に出て、少しだけ楽しさを知った瞬間。


稽古だけじゃなくて、実際に舞台にたつと、もっとわかることがあるよ。
舞台には魔物が棲んでいるんだ。


ほほー。いつか出てみたいですね。魔物というのを感じてみたい。


じゃあ、出てみる?。10月28日。


え!?


こんにちは。スタッフの竹森です。

突然ですが、10月28日の大舞台に参加することになりました。舞台に立つ側として。急転直下すぎて訳が分からない!!

では、会話の続きをどうぞ。


実は理事長からね、「演劇をブログに書くの
なら、一度くらいは舞台に立つべきでは」って打診があってね。


まあ、いつか経験してみたいと思ってたけど、それにしても急すぎないです?


残り一か月しかないから、簡単な役をやってみてはどうか、ということで大変だったけど、なんとかセッティングできたよ。


お手数かけます。


あとは
やるかやらないかの選択だけど、どうする?


これ、
やらないって言ったらどうなります?


うーん。やらなくてもなんとかなるとは思うけど。

でも理事長がなんて言うかが怖い。


OK。喜んでやらせていただきます。

まあ、ここまでセッティングしていただいたのに、やらない選択はないので。


というわけで10月28日の舞台に立つことになりました。

本当にちょびっとのチョイ役です。見つけたら、「あ、いた!」みたいな感じ。

いつかは経験しなくちゃ、いいものは書けないなと思ってたんですが、まさか、一か月後の大舞台に出演するとは夢にも思ってなかったです。

急遽(ちょい役で)大舞台に参加することになりましたが、協力してくれたメンターの清家さん。本当にありがとうございます。

そんなわけで、今日はある意味、本当の舞台稽古の経験をレポ風にお届けします。

1.今までどうやって動いてたんだっけ問題


ヒロちゃんとりあえずここで登場して歩いてみて


分かりました。歩いてみます。


まあ難しく考えず、好きなことやっていいよ


あ、はい(好きなように歩く・・・普段どう歩いてたっけ・・・歩くとは何だったか・・・歩くとは一体・・・?)

「通るだけだから好きなことやっていいよ」と言われるんですが、いざ舞台稽古となると、どう見られているかがすごく気になる。

右手どうだった?左手は?歩き方はこれでいいの?右足はここでいいの?みたいに、小学生が初めて行進するときのように混乱します。

その結果、「歩くこと」が見事にゲシュタルト崩壊しました。

ゲシュタルト崩壊とは wiki

目立ったほうがいいのか、地味なほうがいいのか、自然がいいのか、不自然がいいのか。わからん。どうみられているのかわからん。

人様に見せる歩き方はできているのか。そもそも正しい歩き方とは何なのか。人は何故歩くのか。

歩くことを考えるうちに真理を追い求めてた気がする。そしていまだに答えが出ない。

2.どう表現していいのかわからない問題

台本は、会話のやりとりはあるんですが、心理描写がありません。会話のやりとりや状況から感情を推測するんですが、これがめちゃ難しい。

怒っている、悲しんでるっぽいのはなんとなくつかめた。その先の気持ちをどう作る?どう表現する?という難しさがめっちゃあります。

ただ、そのあたりは清家さんのチューニングがめちゃくちゃうまい。

長年の俳優経験から、おそらくこんな感じで表現するといいという一例だと見せてくれるので、それを道しるべにすると、ものすごくやりやすくなるなと感じます。

会員さんの稽古を見ていると、みんな劇的にうまくなるのは、清家さん流のスーパーチューニングが効いてるからかなと思います。

ただし、言われてできる人ってその時点で結構すごい人だよね。

3.セリフのアクセントが安定しない問題

これは、臨時のセリフのみの代役になって感じたんですが、セリフのアクセントが全然安定しない。しなさすぎて毎度別のキャラ化しちゃう。

例えば「ふざけてんじゃねえぞ!この野郎!」みたいなセリフでも、「ふざけてんじゃねえぞ」と怒鳴り散らすように言うのと、静かに重く言うのとは全く違う言い方ひとつでキャラクターが変わっちゃうなぁと思いました。感情が入っても、言い方が毎回変わったら、相手も混乱するし、しっかりとキャラがつかめてないからこうなるのかなとか思ってました。

特にやったことない役は本当に分からない。怒鳴る役とかめちゃくちゃ苦手。怒ったことほとんどないから

・観察が重要なのかもしれない。

初めての経験の中、できない、わからん尽くしで一つ気づいたものがありました。

自分の中にストックが無いものはできない。

何かを表現しようと思った時、自分の中にある範囲でしか、それができないんですよ。怒る、笑う、泣く、驚く。全部自分の中にある表現だなと。

簡単に言うと、想像して作るものも、ある程度はどこかで見たこと、聞いたことがあるからなんとなくできるんです。

「カーリング」をやれと言われたら、なんとなくできるけど、「ペタンク」をやれと言われたら全く想像がつかないのと一緒なんですよ。(ペタンクさん、例えに出してすいません。ディスっているわけではないです。)

つまり、テレビ、ドラマ、現実にいる人を見て、見た目、動作を観察してストックし、挙句の果てには考えを推測することがものすごく大切なんだろうなと感じました。

シナリオクラブのメンターさんの皆さんが、なぜ色々な人の気持ちを理解し、導くことができる賢者のような方々なのか、理由が少しだけわかりました。

以前、登場人物の考え方を理解するのは、人生を追体験をしているようなだと言われたことがありました。

何十年かけて、何百人の人間の動作やセリフをインプットし、登場人物の考え方を理解して表現してきたから、人の気持ちがとても分かるのじゃないかなと思います。推測だけど。

僕は駆け出しの新人ですが、練習に混ざりつつ、頑張ります。

 

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