「ボヘミアン・ラプソディ」のヒットの理由に、演劇の可能性を感じた。

スタッフ竹森です。

前回、「ボヘミアン・ラプソディ」に行ってきたのですが、

Queenをほぼ知らない僕が「ボヘミアン・ラプソディ」に心をわしづかみにされた話。

「どうしてもこの映画を最高の音質で観てみたい!」という願望があり、立川シネマシティの極上音質上映に行ってきました!!

結論から言うと、最高!!体の芯まで響く爆音なのに、音質がめちゃくちゃ良い!!ライブシーンは臨場感溢れてて、正直、泣きそうになりました。

せっかくなのでシナリオクラブで「ボヘミアン・ラプソディ」の感想について聞いてみました。

・登場人物


Queen世代。Queenのファンではないものの、キラークイーンを初め、楽曲は何度も聞いたことがある。

「ボヘミアン・ラプソディ」でめちゃくちゃ感動して、立川シネマシティの極上音質に観に行った。

コンサートよりも、この映画のほうが気に入った。


Queen世代。Queenを聞いたことがある程度。

立川シネマシティ極上音質で「ボヘミアン・ラプソディ」を観た。ライブコンサートが良いと思っていたが、見終わったあとに曲を口ずさむとのこと。


Queen世代じゃないが、楽曲は街で聞いたことがある。

「ボヘミアン・ラプソディ」にめちゃくちゃ感動して応援上映に行きたいと思っている。

・みんなの座談会


「ボヘミアン・ラプソディ」を観た方々の座談会なのですが、色んな意見があるので感想を聞いてみたいと思います。


私は、娘が良かったと言ったので、普通の映画館でなんとなく観たらすごく良かった。ストーリーよりも音楽が気に入ったので、二度目は立川シネマシティの極上音質で観ました。ラストは、ライブ会場に居るような感覚でした。下手すると、コンサートに行くよりも「ボヘミアン・ラプソディ」のほうが好きかもしれない。


僕は最初は「いい映画だな」位だったんですよ。でも「ボヘミアン・ラプソディ」を観てから、音楽がだんだんと耳に残るようになってきたんです。


あれは、映画というより、コンサート。それも、昔の、音楽に圧倒的なエネルギーがあった時代を思い出しました。今は、おしゃれな音楽がいっぱいあって、気楽にダウンロードできる時代。Queenの頃は、レコードで、みんな大事に聞いてたし、自分の好きなアーティストに熱狂してたなあ・・・。友達がQueenの大ファンで、曲はそこそこ聞いてた。でも、彼らについてはあまり知らなくて、映画の中で、「Queenはこんなバンドなのね」「フレディやメンバーはこんなキャラクターなんだ」という部分を、物語として観たあとの、最後のライブシーン。あの流れに感動でした。でもBさんは、最初はそんなに感動しなかったんですよね。


僕は、映画としての「Queenというバンド」「フレディ・マーキュリーの人生」ついて、面白いと思ったんです。でも、最後のライブシーンを見て、なんというか「映像は、実際のライブシーンにどうしても勝てない部分がある」というのを感じちゃったんですね。

あのライブシーン、音響や映像として、ものすごく良かったと思うんです。でも本当のライブに行っているわけではないんです。疑似的なライブ体験だったけど、あの「ライヴ・エイド」の会場に行ったわけではないんですよね。

僕は、あのラストシーンで、映画ではなく、ライブ会場にいる気持ちとして見ていたんだなあ。

その瞬間、映画館にいることに違和感があって、物足りなくなった。生のライブに行ってその場に参加したくなったんです。

アーティストの生のライブに行って時間と空間を共有することは「死ぬまで残るほど強烈な記憶」ですよね


それは、その通り!!あのラストシーン、本当にライブ会場にいたかった!!(笑)

確かに生のライブもいいと思うんですよね。でも、私も「ボヘミアン・ラプソディ」をライブ映画として見ていましたよ。

実際のライブって、表側しか見えないじゃないですか。もし、そんなにQueenを良く知らない私がコンサートに行ったとしても、会場では歌っているQueenしか見えないし、分からない。

でもあの映画は、「ライヴ・エイド」の舞台に立つまで、色々な裏側を全部見せてくれて、最後にライブ。これが本当に良かったです。

もし、Queenをほとんど知らない状態で、いきなりQueenのライブに行ったとして、あそこまで感情移入できるかなと。

僕も、あの映画を観てからQueenの曲が耳に残って、ちょっと口ずさんじゃうんだよね。

正直な話、あれを、他のアーティストのライブでもやってくれたらいいな。好きなアーティストがこの大舞台に立つまで、考えたことやあった出来事を知ってライブを観れたら、ものすごく感動するなあ。

バックグラウンドを知って、人物像が分かった上でのライブって、ものすごくいいと思うんですよ。


そうですね。あの映画の手法って、世代関係なく、ファンをつくるのにものすごく良い気がする。完成した作品だけじゃなくて、プロセスや頑張っている様子や、色々いろいろなことがあったのを知ると、感情移入できる。人間性や物語を知るから、親しみを感じるんだと思います。竹森さんは、どう思います?


もし、好きなアーティストがステージに立つまでを、あの映画のような方法で知れたら、めちゃくちゃ感動するし、応援すると思います。Bさんの言う通り、アーティストのライブでも、あの方法をやってくれたらってすごく思います。

もう一つ思ったのが、この「プロセスや頑張っている様子を見せる」というのは演劇の舞台でもやってほしいなって思います。

それはちょっと見てみたいですね。舞台って作品の世界観が出来上がっているけど、裏側ってどうなっているのか気になりますね。


確かに。演劇って、裏側をあまり見たことないですね。


演劇や舞台だと、裏側ってやっぱり見せたくないって思う劇団が多いと思うんです。でもステージまでの裏側を見せた「ボヘミアン・ラプソディ」がこれだけヒットしてるし、「カメラを止めるな!」だって、裏側がある映画でメガヒットしたし、実は裏も表も両方見せるものが、最近のトレンドじゃないかなって思うんです。


「作品作りを知ることでより親しみを感じて、感情移入できる」ってことですね。


でも、いきなり裏側を見せるというのは中々難しい気がします。


確かにいきなりは難しいかなあ。でも、あえて作る工程を公開することで、共感を得やすくなるんじゃないかあと思います。作品をつくる想いだったり、苦労だったり。最近は商品でも、物そのものより、作者の気持ちや、なぜこれを作ったかを伝える時代になった気がするんです。演劇も、作り上げる時間にさえドラマがあって、面白い気がします。

・ボヘミアン・ラプソディの手法について

「裏舞台を見せることで、より表舞台を好きになってもらえる」手法は舞台にも応用できるんじゃないかと思います。

例えば、みやぞんは色々なことに挑戦して練習風景を公開する「世界の果てまでイッタっきり」でブレイクしました。

2016年8月、課題をクリアするまで帰れないという過酷企画「世界の果てまでイッタっきり」で『イッテQ』に初登場し、世間にインパクトを与えたみやぞん。

みやぞん、『イッテQ』の過酷企画を振り返る「壁にぶち当たりました」

練習風景から頑張っている姿があって、色々な葛藤や苦悩があるから、本番の舞台がとても魅力的になる。

2.5次元ミュージカルもこの手法を取り入れてます。

全ての2.5次元ミュージカルがそうであるわけではないですけど、成長を楽しむというのが特徴の1つではあると思います。だから『NARUTO-ナルト-』や『テニスの王子様』のような成長物語の漫画が原作になっている。リピーターが多いのも、若い俳優が変化する姿を見続けたいからだと思います

2.5次元ミュージカルの盛り上がりを調べたら、緻密に考えられてブランディングしていた話

「バルミューダ」のトースター、「モレスキン」のノート、パン屋さんの「わざわざ」、「マザーハウス」のバッグなど。

商品そのものだけじゃなくて、そこに至ったストーリーや理念。このストーリーに重きを置いた方法って色々あります。もしかしたら演劇の持っている財産って、この表の作品からは見えない部分にたくさん眠ってるんじゃないかなって思います。

 

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