「コミケ」で見つけた舞台監督のマニュアル本。そして「コミケ」の誤解と本質を考える。

スタッフの竹森です。

突然ですが、コミックマーケットをご存知でしょうか。

通称「コミケ」としてテレビでも時々特集される、東京ビッグサイトの大イベントです。最近では、小林幸子さん、TMレボリューションの西川貴教さんが参加してたり、色々なメディアで取り上げられています。

ブログでコミケについて書いたのは、プロが本気で書いている、書店に絶対に出回らないレアな本があるからです。

今回購入した沢田さん、ゆかりーぬさん、西瓜すいかさんの本。

この本の何がすごいかというと、

・某超有名劇場の裏方の経験による、裏方完全マニュアル

・現役の劇団主催の協力による、「劇団結成から、有料公演までの流れの解説漫画」

・舞台監督、制作、劇作家による経験に基づくノウハウ

コレコレ!!こういうのがコミケの真骨頂!!

こういう本を探しに時々コミケにいってるわけですが、コミケ自体がオタクとコスプレイヤーの祭典と思われている方が多いんじゃないかなと思います。

というわけで、ちょこっとだけ、コミケを解説します。

・コミケの誤解その1 コミケとは何なのか

「コミケ」は、かれこれ40年以上の歴史があります。前回は参加総数50万人以上。東京ビッグサイトを丸々使った大イベントです。


国際展示場駅が死ぬほど混む日。全国津々浦々から人が集まってきます。


ビッグサイト、昼過ぎ前。これでも空いてるほうです。

よく「コミケ」はオタクとコスプレイヤーのお祭りと思われているのですが、ちょっと違います。

「コミケ」は本やグッズの即売会であって、本などを通じた表現の場です

コミックマーケット35周年調査より引用

2011年のデータですが、あれだけの大人数が集まって、何をしているかというと、お祭り好きな人が集まったり、全国から来る人と久々の交流したり、作家とファンの交流だったりします。参加者が限定グッズを求めていると思っていたので、限定グッズを買いたいと思う人が少ないのはちょっと意外。

例えるなら、一般の人が手作りの本やグッズを頒布できる、フリーマーケットを途方もなく大きなものを想像してもらえればいいかなと。(厳密にはちょっと違うけど)

ちなみにコミケでは意図して「頒布」という言葉を使っています。

不特定多数の相手に配る行為のこと、有償無償は問わない。
コミックマーケット(コミケ)などで、同人誌を取り扱う場合、商行為ではないという意味合いを込めて、この言葉を用いる習慣が広まっている。

はてなキーワードより。

出展する側も、来場する側も全部「参加者」扱いなので、「お客様」扱いじゃないのです。そのため、交流する意味でも「頒布」を使っているのだと思います。

ちなみに、「コミケで生計を立ててる」なんて話も時々ありますが、極々一部です。出展してちょっと黒字が出れば御の字。大体は趣味のほぼ赤字でやっています。

データを観ると、コミケで生計を立てる=上位5%の世界に入らないといけないわけです。約3万サークル(サークル=出展者)から選ばれしものになるのって、おそらくむちゃくちゃ大変。普通に働いて稼いだほうが絶対に楽だと思う。相当な実力がないと、100冊売るのですら死ぬほど大変です。

というわけで、基本的に「同人誌」と呼ばれる創作漫画本や小説や手作りグッズを趣味を兼ねて頒布する場所がコミケなのです。


中の会場はこんな感じ。これは比較的空いているほうで、朝だと身動きとれないくらい人がいます。

ちなみに、頒布しているものは、大半は漫画本。その他にもグッズがあったり、評論があったり。

コミケでよく議論になる成人指定の出版物ですが、実際は全体の3割ほどだったり。当然ですが、未成年は買えません。

ちなみにコミックマーケットには少し離れた会場で企業も出展しています。アニメやゲーム会社が中心ですが、時々MicrosoftやGoogleが出展してたりします。

会場でしか買えない限定グッズの販売などしてます。

・コミケの誤解その2 コスプレイヤーは全体のごく一部。

また、テレビで取り上げられるコスプレイヤーですが、会場のごく一部の場所でやっているだけだったりする。

コスプレ撮影エリアは、ここの赤枠の中くらいの場所が、何か所かある程度なので、面積で考えると、本当にビッグサイトのごく一部の場所限定なんですよね。入口だから結構目立つけど。


今年はペニーワイズがいた。ちょっと寂しそう。

コスプレイヤーというと、渋谷のハロウィンと比較されますが、コミケのコスプレイヤーはどちらかというと、「自分を見て喜んでほしい」人が多いと思います。なので結構マナーを守る人が多いです。もちろんごく一部の例外がありますが。

ちなみにこのコスプレエリアは狭い上に、人が密集するので、めちゃくちゃ混んでます。下手に入ると出れない。ちなみにTV局の取材は、この超密集地帯に突っ込んで取材してます。あの機材を持って入っていく姿を見て、すごいなぁと感心してしまう。

というわけで、コスプレイヤーも全体のごく一部です。そのため、オタクやコスプレイヤーの祭典というより、本などで自己表現したい人、それを買いたい人、交流したい人の祭典がコミケかなと。

・コミケの本質を考える。

冒頭でも紹介した、「舞台監督のマニュアル本」「小劇場の裏側本」「初めての劇団作りから公演までの解説本」

この手の本って、需要がある人には死ぬほど需要がある反面、全く関係ない人には無縁なため、一般の書店では中々お目にかかれない。かといって、どこの書店で扱っているかを探すのも大変だったりします。

一方で、コミケでは、こういう一部の人にとって、宝物のような本が頒布されています。まあカタログから探すのがむちゃくちゃ大変だけど

その他にも、プロのフォトグラファーによる廃墟写真集や、居酒屋巡りによって都内の立ち飲み屋レポといっためっちゃニッチ本が頒布されてるわけです。

こういう書店では取り扱ってない本を探したり、本を作った作者とお話できたり差し入れできたりするのが、コミケならではの楽しみかなと。

ネットなど表現の場が多い中で、読者と作者が現実に交流できる場所がコミックマーケット。SNSが主流の時代で、現実にファンと交流できるのが、コミケという場の価値なのかもしれません。あくまで個人の感想ですが。

ネット社会で、誰とでも繋がれる中、コミケみたいな超アナログな場が大切にされることと、スマホでいつでも動画を見れる中、舞台を観に行く人がいる。この二つってそんなに遠くないのかも。

 

ちなみに「舞台監督本」や、「演劇の始め方」みたいな宝物のような本を手に入れたので、この本の内容について、勉強していきます!!めちゃくちゃ面白いですよ!!

この本、某超商業劇場の舞台監督が経験をもとに書いたものなので、本当に内容が充実してて、すごいです。ぜひ、次の大舞台までに勉強して活用します!

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