堀江貴文さんの「クリスマスキャロル」と「演劇のアップデート」にとても共感した話。

スタッフの竹森です。

堀江貴文さんの記事がネットで話題です。

僕の足を引っ張らない社会を作る――ホリエモンが演劇をアップデートする理由

実は先日、「クリスマスキャロル」を観劇してきました。

この「クリスマスキャロル」、一般的なミュージカルや演劇と観劇ルールがかなり違います。

・フリードリンク、フリースナック(アルコールもOK)

・ディナー席では、フルコースが出てくる

・観劇中の飲食OK

・観劇中の写真撮影OK

いままでの観劇スタイルと違って、なかなか斬新に感じました。ですが、このルール、実は明治以前の歌舞伎では一般的だったそうです。

多摩美術大学の名誉教授、福島先生にお話を伺うと、

明治以前の歌舞伎では舞台を観ながら飲食や煙草は当たり前だったんです。ところが、明治以降に、西洋化の波が訪れ、西洋に公開してもおかしくない舞台を見せるために、飲食禁止でみんなが座ってじっと見る、現在の演劇スタイルが取り入れられたのです。

観劇スタイルについて、堀江貴文さんもコメントしてました。

実は今回のミュージカルは、演劇の楽しみ方をアップデートするという試みなのです。これまで演劇は座って2~3時間くらい非常に苦しいところでじっとしていないといけませんでした。飲食はもちろん、声を出すことも、椅子を倒すこともできません。背伸びをしたら後ろの人に怒られます。だから僕は演劇を見るのは好きなのですが、この環境が本当にイヤだったんですよね。だから飲食をしながらお酒も飲めるショーをやることにしました。

これは新しい取り組みに思われるかもしれませんが、実は「昔に戻る」といった方が近いんですよ。

僕の足を引っ張らない社会を作る――ホリエモンが演劇をアップデートする理由より引用

物語の世界に引き込むには、時には閉じた空間が必要だとも思います。でも僕は、クリスマスキャロルを観劇して、これもアリかもしれない・・・と感じました。

19時に公演が始まり、お酒を飲んで、スナックを食べながら、ストーリーを観る。ラストの22時過ぎまで、腰やお尻が痛くならず、とても気軽に楽しめる。クリスマスキャロルは、「観客が、自由に気軽に楽しめる」という視点で作られていて、ミュージカルや演劇というものを楽しむ手法の一つとしてありかなと思いました。もちろん、劇の内容や、会場の設備によると思いますが。


客席まわりはこんな感じ。2Fはソファーもあるし、結構快適です。

・クリスマスキャロルの内容について

いくら観劇ルールが面白くても、やはり中心となるのは作品の内容です。結論から言うと、僕はめちゃくちゃ笑いましたし、ちょっと感動しました。

クリスマスキャロルは、とても有名な作品です。守銭奴の社長、スクルージが過去、現在、未来のクリスマス・イヴを体験し改心をするお話です。そして、このスクルージを堀江貴文さんが演じています。この設定が、すごく強烈!!

クリスマスキャロルの脚本がアレンジされていて、スクルージが「TV局買収しかけたけどさ・・・。プロ野球の球団買収しようと思ったけど・・・」みたいな話や、どこかで聞いたことがあるメタなネタが入ります。

その中で堀江貴文さんが、なんと歌って踊って、いい演技をします。その姿は「豊かな人生を歩むために遊びを全力でやる」という姿勢を自ら体現していて、感動しました。ぜひ、観てほしい!!

もう一つ感じたのは、ダンサーさんや役者さんたちが、みんな肩の力を抜いてすごく楽しんでるように感じました。

でも、決して身内ノリではなく、「自分たちも楽しみながら、みんなも楽しませよう」というパフォーマンスだし、演劇のレベルの高さも感じました。本気でミュージカルやっています。

でも笑えるシーンだけでなく、ちょっとしんみりするシーンも・・・・。

飲食しながら芝居を見たって別にいいじゃないですか。演者はマイクを付けて大声を出したり歌を歌ったりしているんだから、声は十分に聞こえますよ。結婚式の余興だってご飯を食べたり喋ったりしながら楽しんでいるので同じことです。全部は聞いていないにしろ、だいたいの内容は皆聞いていますよね。僕は演劇もそれでいいと思うんですよ。

僕の足を引っ張らない社会を作る――ホリエモンが演劇をアップデートする理由

静寂に包まれた劇場の中で、観客が、物語の世界に没入できる舞台は、僕も大好きです。でもたまには、こうしてお酒を嗜みながら、気軽に観劇できるとおもしろいかな。

またさらに、このクリスマスキャロルは、劇中の場つなぎで、突然「肉磨き」という肉の余分な脂肪や筋を落とす解体ショーを始めたり、ディナーに来ていた特別ゲスト、Showroomの前田さんが登壇したりと、なかなか斬新。


堀江さんが劇中にも関わらず肉磨きを始める。そこへ前田社長が登壇。

日によってはキングコング西野さんや、幻冬舎の社長、見城徹さんが登壇したりと、とても豪華です。でも、これらの試みも「身内ネタ」「奇想天外なことをやろうとしてる」ではなく、お客さんへのサービス精神と思いました。みんながよく知っている方が登壇するので、「おおー」と盛り上がります。

こんな演出に「豊かな人生を歩むために遊びを全力でやる」「観る側も演じる側もみんなで楽しもう」という姿勢を感じました。

・堀江貴文さんが考える演劇のアップデート

冒頭で紹介した記事に堀江貴文さんが演劇に挑戦する理由が書いています。

「何でホリエモンは芝居なんてやってるんだ?」。きっとそう思われるでしょう。でも僕はAI時代の働き方や生き方が気になっていて、それが今の活動のテーマになっているのです。僕はいろいろな活動をしていますが、ただ手当たり次第に新しいことに取り組んでいるわけではないのです。近未来の働き方や生き方がどうなればいいかを考えた結果なのです。

(中略)

演劇には中毒性があります。だから定年後のサラリーマンの人生を豊かにする装置としては絶好だと思います。スポーツも同じですね。僕がJリーグやBリーグのアドバイザーをやっている理由もここにあります。サッカーやバスケットボールのサポーターには、「愛好者じゃないとサポーターになってはダメ」という雰囲気はありませんか? 「初心者は来るな」みたいな。でも僕は、それは間違いだと思っています。

(中略)

豊かな人生を歩むためには、「遊びを全力でやる」ことが必要だと思っています。そして同世代の人たちとつるむという習慣を変え、年齢の壁を越えることが大切です。

僕の足を引っ張らない社会を作る――ホリエモンが演劇をアップデートする理由

クリスマスキャロルの中には、”豊かな人生を歩むためには、「遊びを全力でやる」”この姿勢が色濃く反映されています。

スクルージを演じる堀江貴文さんから、ダンスも歌も演技も、「全力」を感じました。


歌って踊るスクルージ。

シナリオクラブでもミュージカルイベントをやっていますが、ミュージカルって、実際にやってみると、たった2~3分だけでも、めちゃくちゃ難しいんです。それをダンスも歌も入れながらメインキャストとしてこなすのはすごく大変・・・。

でも堀江貴文さんは、おそらく、めちゃくちゃ忙しくて時間がほとんどない中で、歌を練習したり、ダンスを練習したりして、スクルージを演じているんです。


忙しすぎて、他のキャストとの合同稽古に代役をたてたりしていたとのこと。

歌ってる姿、踊ってる姿、演じているその姿を見ると、「所詮、プロじゃないからできない」という言い訳ができないと感じました。

堀江貴文さんは、「いままで役者やミュージカルの経験がほとんどなかったけど、頑張ったらこんなにできるんだ」というのを身をもって証明してくれてるのかなと。

また、記事の後半で演劇とカラオケについても語っていました。

 

カラオケが生まれる前は、歌を歌える人というのは限られていました。歌を歌うには3つの条件があったのです。楽器を演奏できること、音痴ではないこと、歌詞を覚えていること、この3つです。この3つをクリアしないと歌は歌えなかったのです。しかし、皆さんもご存じの通り、カラオケが全てを解決しましたよね。つまりカラオケは、誰でも歌を歌えるようにしたのです。

定年後のサラリーマンにとって、カラオケは重要なコミュニケーションツールになっています。「歌が好きだ」というだけで、世代を超えて仲間になれるからです。僕は演劇にもこのことが当てはまると思っています。なぜか? 演劇をする上で難しいのは台本を覚えることです。これがとても難しいのです。台本を覚えていないと演技に集中できません。だから素人が演技をするには、カンペがあればいいんですよ。モニターにせりふが流れるようにする「デジタルカンペシステム」を作ればいいのです。これは、実は今のテクノロジーでも十分に可能なのです。

演劇は、僕も、とても中毒性が高くて、一度面白さを知ると夢中になれるものだと思います。ですが、本気で取り組もうとすると、劇団に入るとか、色々とハードルが高くなり、気軽にできる演劇は、中々少ないと思います。

「クリスマスキャロル」は、観る側はとても気軽に観ることができ、演じる側も肩肘を張らず、全力で楽しんで舞台にたつ、そんなエンタテイメントだと感じました。

そして堀江さんが言っているように、カラオケが誰でも歌を歌える文化を作ったのなら、演劇も誰もが演じて、気軽に観ることができる文化になるかもしれません。

なので、この舞台は演劇に携わる方はちょっとでも見てほしいなと思います。

そして、シナリオクラブも「誰でも気軽に役者気分」「本気でプロの役者と共演する」がコンセプトです。

第一線で舞台に立ってきたプロの俳優が、「教える」のではなく「共演する」気持ちで、物語を読み合わせてくれます。台本を持ったまま読むだけでもいいし、自信がついてきたら、本格的な舞台に立ってもいいし。また、そのどちらをも、その時の気分で楽しんでも大丈夫。とても自由で、気軽で、その上、本気度も凄いという、そんな場です。

先日も、会員さんから、何故シナリオクラブをそんなに楽しんでくれているんですか?と聞いたところ、こんな返事をたくさん頂きました。

「ここに来ると、全力を出して、本気で遊べるんです」

「演劇を趣味で出来るにも関わらず、舞台の熱意と演技のレベルがとてもプロに近い世界だからここが好きです。」

堀江貴文さんの記事を見た時、シナリオクラブの目指す理念と全く同じだ!!と感じました。

「豊かな人生を歩むためには、遊びを全力でやる」ために、僕たちは、演劇というツールを使って全力で遊べる場をこれからも作り続けたい。そして、誰でも、いつでも、何歳でも、気軽に挑戦できる場所を作っていきたいです。

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