「演劇の中毒性と面白さ」は、やってみないとわからない!!超初心者が演劇を始めるとどうなるのか。

僕の足を引っ張らない社会を作る――ホリエモンが演劇をアップデートする理由 (4/5)

以前、堀江貴文さんがミュージカルに出演してた時に言ってました。

演劇は年を取ってもできます。デジタルカンペシステムや、昔の演劇を再演するための著作者印税システムをネットで共有することができれば、演劇を取り巻く環境はよくなると思います。ほとんどの役者さんは食べていけていません。でも彼らはきついチケットノルマを課せられたとしても、千秋楽を迎えたときの高揚感や一体感が忘れられなくて続けているのです。だから食べていけないようなプロの役者さんが、素人の役者さんに指導する派遣システムを作るなどすれば、演劇のエコシステムはうまく回るのではないかと思っています。

演劇には中毒性があります。だから定年後のサラリーマンの人生を豊かにする装置としては絶好だと思います。

僕自身も演劇を経験してみて、めちゃくちゃ楽しいものだと痛感したので、今日は、演劇経験が一切なかった僕が、演劇の楽しさを知ったきっかけ、そして演劇がどれだけ楽しいかを語るお話です。

<目次>

・演劇って何が楽しいのか

楽しさその1、後腐れが一切ない感情の放出が楽しい!!
楽しさその2、台本が手元にないからこそ、深い感情を吐き出せる
楽しさその3、役と自分を重ねて演じることができる

・実録「超初心者が演劇を始めると、何が起きるのか」

1、男役をもらう。
2、台本がめちゃくちゃ難しい
3、何回目かの稽古で、突然何かに覚醒する

まとめ

余談:「演劇を習う」ことがまだまだ難しい

・演劇って何が楽しいのか。

今回は、実際に台本を覚えて演じる演劇の楽しさについてです。

参考までにスタッフ竹森のプロフィールですが

・演劇経験一切なし

・人前で発表などの経験もほとんどなし

・少々、コミュ障ぎみ

・感情の起伏が乏しい(気がする)

ざっとこんな感じ。表情が乏しいと言われたこともあります

我ながら、演劇に向いているのだろうか。と思うプロフィールだ・・・。

楽しさその1、後腐れが一切ない感情の放出が楽しい!!

普段の生活では、自分の感情を激しく出す機会ってほとんどなくて、いざ感情をむき出しにすると「恥ずかしい」とか「みっともない」とか思われちゃいます。

また、誰かと激しい感情のぶつけ合いをした場合、人間関係が悪化して「どうしよう・・・」ってなっちゃったり。

でも、演劇は真逆。

演劇は「怒り」だろうが「悲しみ」だろうが、どれだけ出しても恥ずかしがらなくていい。役を借りているから、「この怒りは役のせいだ」という言い訳を盾に、ガンガン出すことができます!!

ものすごく極端な例でいうと、おんおん泣こうが、我を忘れるくらい怒ろうが、全部OK。むしろめちゃくちゃ、褒められます。

そういう事って、日常生活にはあまりないので、めちゃくちゃ楽しいんですよ。

もちろん最初は、感情表現が少ししかできなかったり、「恥ずかしいなぁ」と思ったりするんですが、メンターさんや、周りの俳優さんに引っ張られていくと、徐々にできるようになります。

そして、いったん感情が表現でき始めると、恥ずかしさの壁を、どんどん壊して感情を放出するので、無茶苦茶、楽しくなってくる!!

もともと表現力が乏しい僕ですら、怒鳴ったり、わんわん泣いたりすることができるし、そのあと、ものすごくスッキリします!!

そして、そこまでさらけ出しても、演劇はフィクションだから大丈夫!!恥ずかしがらなくてもOKだし、むしろ熱演と評価されて嬉しい。

日常では絶対にできない感情のぶつけ合いが、ノーリスク、ハイリターンでできるうえに、やった後の高揚感が楽しかった!!

楽しさその2、台本が手元にないからこそ、深い感情を吐き出せる

怒りや悲しみの感情の放出って、ある程度は台本読みながらでも、できちゃうんです。

今回、僕は台本を持たないでセリフを覚えることで、より深く役に潜ることができ、より大きな感情を吐き出せることに気づきました。

台本を読みながら演じると、「台本を追いながら、読む箇所を探す」という作業が増えます。

実は、これが曲者で、知らず知らずのうちに「台本を読むこと」に気を取られてしまう。

「セリフを覚える」と「台本を読む」との、そのどちらがすごいという比較ではないのですが、濃密な感情と触れたいときは、台本がないほうが良いのかなと。

もちろん、手元から台本がなくなると、不安で不安で仕方ないです。最初はセリフを思い出すことばかりに気をとられ、しどろもどろに。

しかし、セリフが入ってくると、気持ちに全力投球できるようになり、世界が変わったかのように面白くなります!!

そして「気持ちに全力投球」すると、濃密な感情が沸き上がり、より深く役に入っていくことができるようになります。

そうすると、日常生活では味わえないような、深い深い感情を引っ張り出して、ぶつけることができるのです。

楽しさその3、役と自分を重ねて演じることができる

役を演じるとき、「その人物だったらどうするか?」ではなく「自分だったらどうするか?」と考えても良いのが、シナリオクラブ!!

例えば、ロミオの役の時、「ロミオはどういう人物で、どんな人生を歩んできたんだろうか」と細部まで人物像を考えて演じる人が多いのかなと思います。でもシナリオクラブは「自分がロミオだったらどうするか?」という視点で考えてもいいんです。

「もし自分がその立場に置かれたら?」と主観的に考えると、「(自分が)恋人と別れたら?」「(自分が)子供と死別したら?」「(自分の)両親が誰かに殺されてしまったら?」これらをすべて自分に置き換えることができます。

そう考えて演じると、本当に涙や怒りが出てきて、それをストレートにぶつけることができる。演じ方の自由さは、シナリオクラブの特徴かもしれません。

・実録「超初心者が演劇を始めると、何が起きるのか」

ここからは、超初心者である僕が、役をもらって稽古をした結果、どうなったのか。実体験を交えたお話です。

1、男役をもらう。

少しだけ自己紹介をすると、僕は、シナリオクラブの舞台公演の時、主に写真撮影をやってました。

そのため、演劇に関しては本当に未経験。

舞台写真を撮りながら、「あれほど、ドハマりする舞台の魅力は、どこにあるんだろうか?」と考えてました。

しかし、食べたことのない物の味は、言葉でどれほど聞いてもわからないように、演劇経験が一切ない僕は、その楽しさがどれほどなのかがわかりません。

「観るのとやるのと、全然違う」「体感してみて、初めて面白さがわかる」ということがわかるくらい。

というわけで、「わからないなら、やってみる!!」です。

今回の舞台で、男役をもらえたこともあり、初めて演劇の世界に足を踏み入れました。

2、台本がめちゃくちゃ難しい

台本を渡されたときに驚いたのが、「一人で台本を読むこと」がめちゃ難しい!!

メンターの清家さんが「ここ(シナリオクラブ)に来てから、本当にたくさんの台本が読めた。」とよく言っているけど、一人で台本を読んでみると、驚くほど話が入ってこない。

以前、他のメンターさんが「台本は、舞台にして初めて完成するように作られているので、読むんだったら、台本よりその小説のほうが面白いよ」と言ってたことがよーくわかりました・・・。読んでいて、なかなか辛い・・。

四苦八苦しながらセリフを暗唱してみるが、全然頭に入らない。

ここで改めてメンターさん、そして舞台に立つみなさんの凄まじさを思い知ります。

長いセリフを、すらすら言う女優さん。

全然つっかえることなく、セリフを言う俳優さん。

激しい動きをしながら、セリフを言う俳優さん。

舞台に立っている皆さんの、ものすごい努力を初めて実感しました。どれだけ努力をしてきたのだろうか・・・。

稽古が始まるまで、果たして自分にできるのかどうか。不安になりながらセリフを暗唱します。

いよいよ訪れた、稽古初日。

台本を片手に、しどろもどろ。覚えたと思ったセリフでも、実際に体を動かすと、スポーンと抜けてしまう。見るのと実際にやるのでは、全く違う。びっくりするほど難しい。でも、参加すると決めたのなら妥協はしない、やり切ろうと決心しました。

3、何回目かの稽古で、突然何かに覚醒する

最初の稽古で、自分の実力不足を痛感し、せめて二回目の稽古では「セリフくらいは覚えなきゃ」と、日々暗唱。

二回目の稽古では、台本は離せなかったけど、プロンプターさん(演技中の人にセリフをこっそり教える役)に入ってもらい、少しずつ体にセリフを入れていきます。

何回か稽古を重ねて、少しずつセリフが自然に出るようになった時、初めて「この役は、今どんな気持ちなのだろう」と真剣に考え始めました。

「今、この役は、めちゃくちゃ怖い目にあっている。もし、自分がそこまで怖い目にあったらどうする?どうする?」と考えに考えていた時、

何かに覚醒する!!

どう説明していいか・・・例えるなら、

「初めて自転車に乗れるようになった嬉しさ」「突然スキーで滑れるようになった楽しさ」に近いものです。

で、

ここから、稽古が、めちゃくちゃ楽しくなりました!!!!!!!

今までの自分の殻をパキパキと割るように、色々なことが楽しい!!

セリフに感情をめちゃくちゃ載せられる楽しさ!!

感情を吐き出したときの爽快感とすがすがしさ!!

いままでセリフを言うだけでいっぱいいっぱいだったのが、いきなり世界が開けた感じです。

これが「演劇の楽しさの真髄」かぁ~!!と思っていたのですが、シナリオクラブの俳優さんの話を聞くと、「ここから合同練習、そして舞台に立つともっと楽しくなる」とのことでした!

どうやら、こんなに楽しくても「演劇の楽しさの真髄」の序奏に過ぎなかったようです。合同練習や舞台には、どんな世界が待ち受けているのだろうか!!

まとめ

というわけで、僕の実体験ですが、

・感情の放出が楽しい

・セリフを覚えると、もっと楽しくなる

・自分が「その立場になったら」で考えていい

・セリフを覚えて演じると、ある日突然、覚醒したように楽しくなる

・舞台や合同練習では、さらに楽しくなるらしい

そして、「演劇は、楽しんだら離れられなくなる」と皆さんが言っている意味がちょっとだけ分かりました!!

「演劇はやってみないと楽しさはわからない。」まさに言葉通りでした・・・!

また、僕は上記のように

・演劇経験一切なし

・人前で発表などの経験もほとんどなし

・少々、コミュ障ぎみ

・感情の起伏が乏しい(気がする)

こんな感じですが、それでも、演じることがめちゃくちゃ楽しいと思えたので、どんな方でも経験してほしいなと思います。

余談:「演劇を習う」ことがまだまだ難しい

僕の場合は、身近に「本格的な演劇を楽しめるシナリオクラブ」というものがあったから、演劇の魅力に気づけたのです。

平田オリザ先生が言ってたように「演劇は日本の教育に取り入れられなかった」ので、美術や音楽と違って、馴染みが薄く、習うにしてもハードルが高いのかもしれません。

また、カメラを止めるなのキャスト、市原洋さんが言ってたように、

「スポーツや絵画などでも、プロ以外に、趣味で楽しむ人たちがいるわけじゃないですか。芝居が好きで、趣味でやる、というのが、もっとあっていいんじゃないかなって思ってました。」

世間の常識では「演劇を習う=プロを目指す」

そのため、

「趣味は演劇です」というと

「俳優を目指すんですか?劇団入るんですか?」

みたいになっちゃう。でも、歌や絵画やスポーツはそんなことは無いなって思います。

だから、あくまで趣味だけど、とことん本格的な演劇ができる場というのがあってもいいんじゃないかって思います。

そして、シナリオクラブは「本格的な演劇教室」の一つとして、皆さんに知ってもらいたいなと思っています。

せっかくこんなにも面白い習い事があるのだから、もっとたくさんの人に知ってほしいし、気軽に取り組んでほしい。それが僕の想いです。

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