意外と知られてない、歳をとった時の体と心の健康の話。何をどうすればいいのかを調べてみました

今日は健康についてのお話。

きっかけは、健康についていろいろな人に尋ねた時、意外と基本の部分を知らない人が多かった・・・。

健康になるサプリメントや、よくわからない謎の健康法をやるよりは、超基本を押さえることである程度健康の道へ。

インターネットの海には、色々な健康法やダイエット方法が転がっています。

これ飲めば健康になるとか、これ食べれば痩せるとか。

新型コロナウィルスの影響で閉じこもりがちな人が増えてから、怪しい健康食品や健康情報が増えてきた気がします。

嘘か本当か判断が難しい健康法に飛びつく前に、まずは基礎部分からしっかり固めようよというのが今回のブログです。

怪しいサプリメントを売ったり、わけの分からない水を飲ませたりする予定はないのでご安心ください。

<目次>
体の健康の基本
1.タンパク質多めの食事ってどうすればいい?
 何で若いころと似た食事で栄養が不足するのか?
 タンパク質が不足するとどうなるのか
2.どれくらい寝ればいい?
 何故、横になりすぎが体によくないのか
3.よく運動をする
 重要なのは下半身。
 過度な負荷がかかる運動をいきなりしない。
心を健康にする。
人はパンのみにて生くるものに非ず

 

 

体の健康の基本

まずは体の健康の基本から。とても簡単。

・タンパク質を中心に色々なものをよく食べる

・ある程度寝たら、無理に寝ようとしない

・その上でよく運動する

これだけ。

「えっこれだけ?」「こんな当たり前のこと知ってるよ!!」という方は多いと思いますが、実際にやろうとすると「何食べればいいの?寝ればいいの?どう運動すればいいの?」という疑問ばかりになると思います。

ものすごく細かい話になると個人差が出てくるので、概要の部分について。

1.タンパク質多めの食事ってどうすればいい?

だんだん歳をとってくると脂っこいものが食べれなくなり、淡白なものを好むようになりますね?

この辺りは加齢によるものかな。

一方で、普段の食生活の中で体に不足しがちなのが、タンパク質およびミネラルだったりする。

タンパク質や、カルシウムを中心としたミネラルはものすごい大切な栄養素です。

よくある三大栄養素とミネラル系の説明をざっくりすると、

 

炭水化物

人間のエネルギー源、いわゆるガソリンの役割

 

脂質

エネルギー源その2.またビタミン吸収や身体の一部を作るのに役立つ。

 

タンパク質

筋肉だけでなく、肌、髪の毛、皮膚など、人間の体の基本材料。

 

ミネラル(ビタミンB、Cやカルシウム)

骨をや神経系の材料。

例として、ミネラルの一種のカルシウムは骨を作る。

 

という働きをしています。

なのでタンパク質不足やミネラル不足は体の材料が不足しているわけです。

 

何で若いころと似た食事で栄養が不足するのか?

若いころとそこまで変わらない食事をとっているはずなのになぜ栄養が足りなくなるのか?を調べてみました。

厚労省の論文によると、老化しても内臓の動きや吸収率はあまり老化の影響を受けにくいらしい。(予想外ですね)

そうなってくると、口腔機能の低下の影響のほうが大きいのかもしれない。

つまり、食物をかみ砕く能力が落ちてしまって、かみ砕かれてないものを内蔵が上手く消化できないという感じ。

また、咀嚼の変化で、柔らかくて食べやすい物を食べるようになり、結果としてタンパク質やミネラルを含んだ食事が減ってしまう。

さて、タンパク質、ミネラルと言われてもピンとこないことが多かった。特に男性。

タンパク質を含む食事って何なのか、画像を上げてみました。

これがタンパク質が多く含まれる食べ物(一例)です。

よく牛乳はカルシウム取れるものと思ってる人が多いのですが、カルシウムもタンパク質もたっぷりです。

参考例として

タンパク質が多く含まれている食品群

・肉類

・魚介類

・卵類

・大豆製品

・乳製品

 

一方でいわゆる主食の「ご飯類、麺類、パン類」

これらは主に炭水化物で、体のエネルギー源です。

 

タンパク質が不足するとどうなるのか

タンパク質やミネラルの摂取量が減ったら何が起こるのか。

身体の材料が不足しているので、身体が作れない。

タンパク質があまり入ってこないと、人間は最重要な部分(臓器など)にタンパク質を優先的に回し、皮膚、筋肉、髪の毛、爪といった部分は後回しになります。

その結果、抜け毛になったり!!皮膚がしわしわになったり!!さらには、身体が衰えたり、という悪循環にはまっていきます。

高齢の方でも肉を食べてる人がめちゃくちゃ元気だったりするのはタンパク質をたっぷりとっているのがあったりします。

厚生労働省の論文で、年齢別の摂取の推移を見てみるとこんな感じ。

炭水化物の摂取量はほとんど減ってないけど、脂質とタンパク質は年齢が70代を超えると摂取量が一気に減ってしまう。

健康長寿ネットを見ると、一日に必要なたんぱく質は50~60gです。

慢性的にタンパク質が不足していと、常に体を作る材料が不足しています。

そうなってくるとしわ寄せが「抜け毛」であったり、「肌の調子が悪くなった」など色々なところに悪影響を及ぼすようになります。

なので、結論として

「タンパク質を意識しながらよく食べる!!」

というのが良いです。

タンパク質が足りないなら、補助食品としてプロテインだってok。水や牛乳でしっかり溶かして飲みましょう。

ただし、病気によってはタンパク質の取りすぎが害になることもあります。その辺りはお医者さんと要相談です。

よく勘違いしている方が多いのですが、プロテインを飲んだだけでムキムキには絶対になりません。

ムキムキの人は凄まじい運動量と凄まじい食事摂取量の努力の結果であの体なのです。

2.どれくらい寝ればいい?

食事の次は適度な睡眠と休憩について

厚労省のページで、加齢により睡眠が前倒しになり、睡眠時間が短くなり、浅くなるという傾向がありました。

第一の変化は、高齢者では若い頃にくらべて早寝早起きになることです。これは体内時計の加齢変化によるもので、睡眠だけではなく、血圧・体温・ホルモン分泌など睡眠を支える多くの生体機能リズムが前倒しになります。したがって高齢者の方の早朝覚醒それ自体は病気ではありません。眠気が出たら床につき、朝方に目が覚めて二度寝ができないようであれば床から出て朝の時間を有意義に使いましょう。

第二の変化は、睡眠が浅くなることです。睡眠脳波を調べてみると、深いノンレム睡眠が減って浅いノンレム睡眠が増えるようになります。そのため尿意やちょっとした物音などでも何度も目が覚めてしまうようになります。

引用:高齢者の睡眠

なので、睡眠に関しては「一日8時間が必須」というわけではなく、自分のリズムで睡眠が取れたらそれでOKだそうです。

ここで重要なのは「寝過ぎない」こと。

寝過ぎというのは、睡眠時間が長いのではなく、「目が覚めたけど起きるのもおっくうなのでベッドで横になってよう」というもの。

若いころに比べて段々と睡眠時間が短くなってくるのは仕方ないです。

けれども、無理に眠ろうとベッドで横になりっぱなしになることは、逆に体によくないみたいです。

 

何故、横になりすぎが体によくないのか

人間の体は使わなければ使わないほど衰えていくという性質を持っています。

不動により筋蛋白の合成低下、分解亢進により生じる。特に大腿四頭筋や殿筋群、腓腹筋など重力に抵抗して働く筋肉(抗重力筋)に強く起こりやすいとされます。
最大筋力の20%未満の活動では筋萎縮や筋力低下が起こりやすいとされています。
安静臥床のままでは、約1〜3%/日、10〜15%/週の割合で筋力低下が起こり、3〜5週間で約50%に低下すると報告されています。

高齢者の身体機能低下とそのリハビリテーション (3)廃用症候群より引用

 

休むというのは簡単に言うと「体を使っていない時間」

眠くないけどベッドでゴロゴロするというのは、「体を使っていない時間を増やす」ということになります。

 

休む時間が増える = 筋肉量と柔軟性がどんどん低下していく

 

そして年配の方は

加齢による筋肉量の低下 + 休むことによる筋肉量の低下

という二つの負の相乗効果によって体の衰えが進んでしまいます。

特にこのコロナ禍では、出かける予定がつぶれてしまい、楽しみもなくなってしまって家にこもりっきりになりがちです。

そうなるとついついずっと座っていたり、ベッドで休んだりしがちなので、休むことが癖になっているなら要注意。

次の項目でも説明しますが適度に体を動かすように心がけるのがよいのかなと。

 

3.よく運動をする

最後は「よく運動をする」について。

この「運動する」が一番重要だと思ってる人が多いのですが、実際のところ、

 

1.タンパク質を中心によく食べる

2.適度に休む

 

この二つの土台があって、初めて運動に効果が表れます。

特に食事をおろそかにして運動だけ行うと、肉体にダメージを残したままで、いつまでも治らない状態になります。

では、どんな運動をすればよいのか。

 

重要なのは下半身。

65歳以上の方の運動に関する論文を探していたら見つけました。

特定の歩行パフォーマンスの向上を目的とした場合、その歩行パフォーマンスを行うための筋群の筋力増強を図るより動作そのものを繰り返しトレーニ ングした方が効果的であったためであると考えられる。

引用:高齢者における筋力増強運動を含む機能的トレーニングが生活機能に及ぼす影響

この論文によると、ジムでマシンをガッチンガッチンやったり、家で黙々と筋トレやるのも悪くないのですが、日常の動作に近い動きをしたほうが効果的だそうです。

簡単に言うと、散歩の距離を長くしたり、ちょっと階段を多めに上ったり。

 

そして鍛えるのに重要なのが下半身。

下半身は移動だけでなく、トイレ、更衣といった日常生活の非常に重要な部分に密接に関わってきます。

そのため、万が一下半身の骨折などで歩けなくなるとそれらの行為に著しい支障をきたします。

なので、ある程度年齢を重ねた時に優先的に鍛えるのは下半身。そして鍛えるなら、なるべく日常に行っている動作に近い方法で鍛えるのがベストだそうです。

過度な負荷がかかる運動をいきなりしない。

とはいえ、いきなり長距離を歩いたり、走ったり、限界まで追い込むことはオススメしません。

運動するときは筋肉だけでなく、靭帯や軟骨といった関節、骨に負担がかかります。

靭帯や軟骨などの軟部組織は筋肉と比べて再生能力が非常に乏しい。

過度な運動をして軟部組織が大きく傷つくほうが大変です。そうなると運動することすらままならない。

そのため、いきなり階段を上ったりするよりも、まずは頻繁に休憩を入れながら散歩などをするとこから始めるのが良かったりする。

そしてどのくらいやればよいのかといった、運動頻度もこちらに書いてました。

 

厚生労働省の運動施策の推進として、身体活動基準2013では、運動は息が少し弾む程度の中強度の運動(ウォーキングや水泳、ラジオ体操など)を週2回以上、1回30分以上、習慣化するとよいとされています。高齢者に対しては、「ストレッチングや体操を1日10分程度」、「散歩やウォーキングを1日20分程度」、「下肢および体幹部の筋力トレーニングを1週間に2回程度」のいずれかの運動を年齢や身体能力に応じて行うことが推奨されています

健康長寿を実現する運動

もちろん、日ごろから運動している人はもっと強めの運動を行ってもいい。

そして運動と同時にストレッチなどで体の柔らかさの維持も重要です。

関節の柔軟性が高いと、腰痛や膝痛の予防だけでなく、ケガ自体も予防できますからね。

 

心を健康にする。

さて、最後は体の健康だけではなく、心の健康です。

心の健康は正直な話、身体よりも重要!!

いくら体が元気だろうとも、活力が無ければ何もやる気力がなくなります。

車でいうなら、どれだけ綺麗なボディがあっても、ガソリンが無ければ走れないものです。

特に歳を重ねると

・加齢などによる身体的な不安

・経済的な不安

・身近な人やペットなどのロス

など、色々な精神的な重圧がのしかかってきます。

この重圧によって、鬱状態になるリスクがかなり高い。

ではどうやって心を健康にするか。

人は、何かしらの目標を持って生きることで、自然と気持ちが前向きになるものです。定年退職後に家に閉じこもるのではなく、何か新しい仕事を見つけるのもよいでしょう。また、趣味や習い事を始める、新しいことに挑戦してみるのも周囲とのコミュニケーションにつながるきっかけとなります。

高齢者のメンタルヘルスより引用

ということで、大切なのは何か目標を見つけたり、趣味や習い事などで新しいコミュニティに属したりすることだったりします。

・何かやるべき目標がある。

・誰かに必要とされている。

心身の健康に重要なのはこの部分。

 

しかしこのコロナ禍で、目標を見つけるのは簡単ではないし、習い事みたいな場に行きづらいのも事実。

かつてブログで紹介しましたが

コロナで増える外出自粛や閉じこもり、忍び寄る認知症。今できる健康法を調べてみた

家で手芸、料理にはまる人も多い。

本当なら、みんなでワイワイやりたいけどできない。

こんな時だからこそ何らかのコミュニティを作りたいです。

例えばzoomをつなげて会話しながら手芸や料理のコミュニティなんかもありなんじゃないかなと思っています。

 

人はパンのみにて生くるものに非ず

これは、かの有名な「人は物質的な目的だけで生きているのではなく、精神的な満足感を得られてこそ、充実した人生を送ることができる」という言葉です。

やっぱりこのコロナ禍で実感したのは、「人は楽しみがないと生きていけない」ということ。

ご飯が食べれて、眠るという幸せと同時に、現代社会には「楽しみにしていることがある幸せ」

という重要な要素が。

 

でもこの幸せがこのコロナ禍で奪われてしまって、いつ戻ってくるかも分からない。

今は、日常に戻ってくると思って皆さんが耐え忍んでいると思います。

 

ここに紹介した健康に気を付ける方法も、やっぱり楽しみがあってこそですよね。

 

そして、もし「楽しいことが見つからない」という人が居た場合、せっかくなのでシナリオクラブを体験してみてください。

元々シナリオクラブの出発点は、閉じこもり気味で人と話さなくなってきたお父さんのリハビリのため、台本を読み合わせで始まった教室です。

そこから何人もの人が演劇にはまって、芝居にはまって、ここを生きがいにしてくれました。

このコロナ禍でも色々な方法でレッスンを続けていく予定です。

 

もし、「やることがない」「気力がない」そんな人が居たら、そんな人が周りに居たら、ただの気晴らしでも良いのでシナリオクラブでレッスンを受けて、この鬱々とした状態を乗り越えてみましょう!

 

スタッフブログに戻る