「酷暑のつめあと」お疲れ様でした!!

10月28日、一日だけの公演「酷暑のつめあと」無事終了いたしました!!前回は裏方の話でしたが、作品についての話になります!!

今回初めて、大舞台を見に来て下さった方から、直に、

「1日限りの素人さんの発表」と思っていたら、とんでもなかった!!クオリティにびっくりした。ラストシーンでは涙がでました。これだけの舞台を作るのがどれだけ大変なことか、想像すらできません。本当に素晴らしい舞台でした。

と言ってくれました。また、アンケートでも、多くの方が同じようなコメントを書いてくださって、本当に感謝です!!

・10月26日と27日、怒涛のラッシュ!!

本番に向けて、怒涛のラッシュでした。公演が10月28日だったのですが、午前の部も午後の部も、どちらも4時間近く。公演は、1日のみ劇場を借りた日数は3日間なので、舞台上で練習できるのは各チーム実質2回。たった2回でよくここまで出来たと驚くばかり・・・!!

ここからは、作品について、色々な方からの意見をもとに聞いてみました!

ちなみに僕は宇野イサム作品以外は劇場外の仕事があり、出たり入ったりで観ることができなかった・・・残念・・・。

読み芝居「忠臣蔵」

平田オリザ氏の現代口語演劇理論を駆使した忠臣蔵。

これは、舞台で座ってそれぞれの役を読んで演じるリーディングスタイル。ストーリーは、侍たちが忠臣蔵に向けて頑張るけど、みんな、なかなか煮え切らない。「まあしゃしゃっと討ち入りすればいいかな」みたいなノリです。

「忠臣蔵」について理事長からコメントいただきました。


とっても仲が良く、素晴らしいと、メンターの高瀬さんからお墨付きのチーム。本番は、セリフの切れが良く、安心してみていました。歯切れのよいテンポで、会話が弾んでいたのに、中盤、突然調子が変わって、あれれ?となりました。後で聞いたら、ページを2枚めくったトラブルがあったそう。でも、テンポがかわったなあ?くらいに思っていました。すぐにまた、軽快なリズムに復活。共演者同士が連携をして、本筋に上手に戻したとのこと。本番って、自分のセリフを追うだけで精一杯のはずなのに、流れを見失った人に上手にアドリブで教えていったのね!と感心しました。

読み聞かせ「月夜のでんしんばしら」

こちらは宮澤賢治の作品です

恭一少年は鉄道線路の横を歩いていた。すると彼は信じられない光景に出くわす。「ドッテテ、ドッテテ、ドッテテド」というリズミカルな歌が聞こえたきたかと思うと、線路に沿って立つ何千本と並ぶ電信柱が一斉に行進を始めたのだ。様々な姿形の電信柱が通り過ぎる中、やがて彼らに号令をかける老人が歩いてくる。それは「電気総長」と名乗る人物だった。

「月夜のでんしんばしら」について、福島先生からコメントいただきました。

「月夜」は、丁寧に読んでいて、好感を持てました。三色の肩掛けが印象的に照らされてましたね。赤肩掛けの方は声が強く、また高く鋭く響きました。緑肩掛けの方は安定した柔らかな声がいいですね。黄色の羽織の方は、一番声が出てました。特に三重唱。一番読み込んでいる。期待しています。

宇野イサム短編集「枝毛」

都会かぶれの女性と、心が病んでいる男性の話なのですが、最後、キレた男性が女性を銃で撃ちます。でも何度も撃たれたのに、死なない。すぐ起き上がってくるという、なかなかホラーな作品です。不条理で難解な作品ですが、それを各々のグループが表現しています。午前の部は初めから全くかみ合わない男女二人。自分の世界を延々と語る男性と、全く相手にしていない女性。

現実世界でも「ああ、見たことあるなぁ」って思うシチュエーション。そして突然キレる男性。内部に爆弾抱えてて、臨界点を超えるまでは平然としているのが、ある意味現代チックだな~と。

一方で夜の部、こちらは、人の好さそうな男性が、コミュニケーションをとろうとしているのに、女性が完全に馬鹿にしている。そして大切なものを雑に扱われてキレる男性。あれはキレる。

台本の上では全く同じなのに、キャストが違うと、全然違ってくるから比べてみるとおもしろいです。

宇野イサム短編集「控室」

一流モデルを夢見ていたのに、やりたくない仕事ばかりやらされて、最後は文字通り、泥まみれになる仕事にうんざりしてモデルをやめたい!という話です。

全部投げ出して泣き出す彼女も、最後は仕事も泥まみれも、自分から受け入れる心境の変化があります。

午前の部は練習を見学していたので、最後になって、さらにレベルが上がっててびっくりしました。泥に対する嫌悪感もばっちり!!こちらは、若いモデルが「もう嫌だ」ってわがままを言って、それに対してマネージャーに「あの子はもうダメかな」というシビアさが隠れ。それを見守るメイクさんが「仕方ないわね」と同じ苦労してきた包容力がかみあっていて、ナイスな感じ!!

午後の部はマネージャーとモデルさんの距離がより親密。「一緒に苦労してきた仲じゃないか」という雰囲気が出てるんです。モデルさんもわがままで「もうやめる!!」って言ってるわけじゃなくて、「色々頑張ってきたけどもう限界・・・やめる・・」みたいな雰囲気なんですよね。だから最後の泥も仕事も受け入れるシーンで「もうちょっと頑張るか・・・」って雰囲気がいい感じ。その中でメイクさんは、「まあ仕事だからしょうがない。付き合ってあげるか」「アドバイスはするからあとは勝手にしな。」という割り切った雰囲気が好きです。

 

宇野イサム短編集「検問」

夜中の検問中、怪しいやつらが現れる。一人目は挙動不審な女性。二人目は警察官に喧嘩を売るような男性。ただし、検問を行っている婦人警官の皆さんも私情と偏見が入りまくりで、良い人がほぼいない。

午前の部は婦人警官のみなさん、とりあえず検問して、怪しい奴らを引き留めますが、挙動不審な女性が一人語りしても、親身に聞く奴は一人もおらずゴルフスイングしたり、痴話話してたり、やりたい放題。最後は挙動不審者をポイ捨てです。みんながマイペースの中、リーダーが引き締めている感じ。

午後の部は、婦人警官の皆さんは、積極的に仕事しますが、バリバリ公私混同です。積極的に仕事をするが、ついでに日ごろの憂さ晴らしもしているような感じ。午前も午後も、表現方法は違いますが、婦人警官の「とても感じ悪いイメージ」が表現されていて面白かったです。

宇野イサム短編集「泥棒」

こたつを盗まれた青年と、盗んだ泥棒、そこに来る乱入者、さらに・・・という、次々変わる面白い展開です。とにかく運動量が多い!!めちゃくちゃ走る作品です。運動量が多すぎて、連続で動けないすさまじい作品です!

そこに入ってくる乱入者が午前と午後で、全然違います。午前は和服姿の女性、午後はドレス姿の女性、どちらも踊りながら舞台に登場するのですが、どちらもとっても面白い!!同じセリフを言っているのに、全く違って見える!!「絶対そんな人道を歩いてないでしょう!」っていう人たちです。

午前も午後もとにかく走り回るし、本番でも怪我しないかと舞台袖でみてました!

あの狭い舞台を絶妙なタイミングで駆け抜けるからびっくりですよ。しかもたった二回の練習でモノにするのがすごい!!

宇野イサム短編集「銃声」

「泥棒」の時に置かれた洗面器を見て、色々と空想する二人の女性。そこに銃声が鳴り響く。どこで銃声が鳴るのか。どうして銃声が鳴るのか。

この作品は、5つの作品のなかでも一番不思議で神秘的な作品です。出演者も結構悩んだ作品らしいです。清家さんは、「作品には、思いを込めて作っているけれど、できたものは、観客に自由に解釈してもらえばいいと思っています。」とのこと。でも、あえて言えば・・・「日常に飽きたタイプの違う2人が、とっても日常的な象徴である洗面器に惹かれていると、今度はとっても非日常的な銃声が聞こえてくるという作品。この共通の体験を通して、嫉妬したりして、そして最後の銃声でお互いの一つの目標を目指す・・・」らしいです。ご覧になった方の解釈も知りたいです!!

ちなみに午後はなんとポリス!!

「海と日傘」

この作品は、1時間半の長編です。

夫で作家の洋次と、妻の直子を取り巻く平穏な日常から始まります。でもそこから少しずつ日常が変化し、展開していきます。

この長編の時も、僕は裏方で走りまわってて居ませんでした。そのため袖からも全編みることができませんでした。

この辺りの経緯はブログ参照!!

舞台公演の裏方を手伝って、色んなトラブルがあったけど、それでも続けたいと思った話。

なので、午前の部は理事長、午後の部は福島先生から感想をいただいてます。

 


午前の部は、どの役もぴったりはまっていて、本当に、そのあたりにいるご近所さんを見ているような感じだった。ゆったり穏やかな日常の会話が続くなあと思ったら、え!?と思う展開へ。何気ない言葉から、ドキッとする裏の気持ちが透けて見えてきて。役者の皆さんの表情、動作の微妙な変化が本当によかった。会場からは、中盤からすすり泣きが聞こえてきて、自分も本当に泣いてしまった。こんなに感動した作品は久しぶり。


午後だけ見ましたが、感心しました。直子が抜群で、今もその声と姿が思い出されます。虹、空、海に託す思いの深さ、旅に出かける時の洋服選びの初々しさ、看護婦さんが独身と知ってそれとなく気を廻すシーン等々。それにしても大家さん夫婦の愉しいこと。また編集者もいいね。洋次も人柄がにじみ出ていて丁寧な対応が好感。

大舞台を終えて

スタッフ間でも大舞台ロスがあるそうです。大きなお祭りが終わって、余韻を感じながら、一つ夢が終わったような感じですね。僕も裏方を手伝いながら、文化祭が終わったような気分を味わいました。でもここで完結ではなく、次の大舞台に向けてどんどん続いていきます。

では最後に、観客からのアンケート結果を一部公開いたします。

みなさん声がしっかりと出ていて、表情も豊かでストーリーの変化が楽しめました。次の展開へのワクワク感も!!(宇野イサム短編集)

会場の階段の使用が舞台効果の動きの連動になって、人物の動きで物語も楽しめました!!最後の劇は日常生活の中から人生の悲哀を感じさせてくれる素晴らしい劇でした!!感動しました。

出演者の皆さんありがとうございました。心がほっこりしました。

役者の皆さんが、心から芝居を楽しんで演じているのが伝わり、私も心から笑うことが出来ました。笑いの中にも、ふと、人生を考えさせられるセリフがあり、心に、じんと響きました。

「海と日傘」

方言と台詞の間、時間の流れが心地よく、でも、切なくて心が洗われました。ありがとうございました。とてもよかったです。

本日は出演者のみなさま、スタッフのみなさま、大変お疲れ様でした。昨年の公演から一年間、さらに実力をつけられてレッスンされてきたことと思います。日々の努力の結果を発表できる場があるというのは、とてもはげみになります。活き活きとされているのを拝見できて、こちらも楽しかったです。

平凡な毎日の中で何か一つでも打ち込めるものがあるというのは、本当に良いことだと思います。今日は拝見できて元気が出てきました。感動しました・・・・。独特な世界観で。ご招待いただき、うれしかったです。ありがとうございました。

またぜひ次回を楽しみにしています!!皆様ご自愛ください・・・。

PS「もやさま」見ました♪

1.宇野イサム短編集

とても面白く、連続性があり、見事な構成で感心しました。出演者も大胆さの中にも、細かい気配りが行き届いた素晴らしいものでした。とても楽しめました。

2.海と日傘

先は瀬戸山剛史役が多くのセリフを方言を駆使し、描写が沢山なのを演じきったのに安堵し、拍手を送ります。素晴らしい!!公演内容は身につまされる内容で、感涙するものでした。「生活」を「生きる」命の重さを受け止めました。

それぞれの作品の完成度が高く見ごたえがありました!!最後の作品はゆったりと落ち着いた気分で心にひびきました。これからは入場料を考えてもよいのでは。運営が必要をもとめないか方針なのか素晴らしかったです。

以上、たくさんいただいたアンケートより、一部抜粋させていただきました。他にもたくさんの感想や励まし、本当にありがとうございました。

次回の公演は、また来年になります。どうぞお楽しみに。

イベント・発表会情報に戻る