「バロック」

作:高木登
演出
演出:寺十吾
キャスト
出演(五十音順)
奥野亮子
川田希
岸田大地
祁答院雄貴
小西成弥
笹野鈴々音
佐藤誓
白坂英晃
野花紅葉
春名風花
福永マリカ
谷仲恵輔
吉村公佑
日程
2020年3月7日(土)~15日(日)
劇場
東京都 ザ・スズナリ
目をとじろ
耳をふさげ
秘密は決して口にするな
あの呪われた場所で
またふたたび怪物をめざめさせないために

かつて火災で失われた御厨家を再建したのは、当時唯一その火災から生き延びた美貴子だった。やがて自らの死期を悟った美貴子は、屋敷を解体する覚悟を固めるが……。
この演劇を見た人
竹森裕哉さん
竹森裕哉さん

おすすめ度
脚本のストーリー性 5
役者の表現力 5
演出の巧さ 5
演出の奇抜さ 5
舞台装置の芸術性 5
客席と舞台の一体感 5
劇場設備の充実度 4
敷居の高さ 5
見た人の感想

舞台で表現された、息をのむほどの世界観とホラー

恐怖と好奇心入り混じる舞台

「本作には幽霊屋敷も亡霊も登場しますが、多くの登場人物がその存在を受け入れており、怪異も禍をもたらすものばかりが起きるわけではありません。したがってこれはホラーではなく、されどジェントル・ゴースト・ストーリーでもない、毎度のことながら、おさめる場所が見当たらないような作品になりました。自分の心霊観、死生観にしたがって書いた、奇妙で苦い物語です。最後までお楽しみいただけますと幸いです」

ステージナタリー:「心霊観・死生観にしたがって書いた奇妙で苦い物語」、鵺的「バロック」開幕

奇妙な洋館、怪異、そこに住む家族たちと不気味な風習。

難しい題材を音と光、役者の芝居によって、見事に再現し、圧倒的な恐怖を生み出す作品に仕上がっています。

ホラーじゃないといわれてますが、僕にとっては間違いなくホラーでした。

(ちなみに僕はホラーが苦手。)

しかし、観に行って本当に良かった。

「観に行かなかったことを後悔する舞台」でした。

 

前述のとおり怖いのが苦手なので、ホラー映画に誘われても、目と耳を閉じる準備をして見ないようにしていることが多いです。

 

しかし、「バロック」は違った。

怖くて目を閉じても、気になってしまう。

見ずにはいられない。

何が起きているのか、目で、耳で、確かめたくなる。

気になって気になって仕方ない。

この奇妙な館にこれから何が起きるのか。

呪われた家族は一体何なのか。

得体のしれない出来事は何なのか。

 

きっと怖い、でも気になる・・・・。覗きたくなる・・・・。

 

「バロック」は、好奇心と恐怖の狭間で悩まされる、魅力溢れる舞台です。

 

公演前から評価の高い舞台

さらにこの舞台、なんと稽古が始まる前に全チケットが売り切れて、急遽追加公演が決まったという凄い作品。

ホラーが大の苦手な自分が、恐怖の世界にどんどんのめりこんでいく。

舞台にいる人間が怖い。本物の幽霊と対峙しているかのように怖い。

観劇していると、心臓をわしづかみにされて、嫌な汗が流れてくる。

神経がピンと張りつめ、思わず悲鳴を上げてしまうかもしれない。

それでも観るのをやめたくない。

怖いのに、観るのをやめることが出来ない、美しく、不気味で素晴らしい作品です。

 

120分という長編ですが、それを感じさせないほど圧倒的な没入感をもたらせてくれます。

全公演満席ですが、ラスト二回の公演のみ、当日券があります。

公式HPから

3月14日(土)18:30の回
3月15日(日)13:30の回

いずれも当日11:30より、劇場電話番号にて受け付けいたします。
※14日(土)は、18:30の回のみ対象です。夜の公演ですが、当日券電話受付開始時間は11:30とさせていただきます。

ザ・スズナリ 03-3469-0511

不気味で恐ろしくも、目が離せない世界。是非とも興味がある方は覗いてみてください。

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