素人が舞台稽古に出て、少しだけ楽しさを知った瞬間。

スタッフの竹森です。

最近、10月28日の大舞台に向けて色々取材したり、こたつ作ったりと忙しく楽しくやってます!!

とまあ、先週、舞台稽古を見学していたんですけど、急遽、臨時の相手役になりました。めちゃめちゃ足が震えました。

でもそこで経験したこと、ほんの少しだけど見えた面白さなど、色々と感じたことがあり、演劇初心者が舞台稽古を通じて何を感じたかを経緯と共にお話します。

今回は文字ばっかりだよ!

・その日、こたつの安否確認を兼ねて見学していた。

10月28日の大舞台に向けて、こたつ作ってました。あのあったかいやつ。

小道具担当なので、今まで色々作ってたんですが、今回作ったこたつVer1.0が結構バキバキに壊れてしまったんで、改良版のこたつVer1.1に改修。本番まで大丈夫だろうかな~と心配を兼ねて舞台稽古を見学してました。

こたつVer1.0の残骸と改良版1.1

まあこたつが無事なら大丈夫だなとか思ってたら、どうやら舞台稽古の男性役がいない様子。

仕方なしにメンターの清家さんが代わりに行うのですが、演出担当が舞台に入ると舞台を客観的に観ることができないからどうしたもんかと。

とりあえず人が居る風に練習してみたりと試行錯誤。でも、なかなかうまいこといかない。

演出担当の清家さんも「どうしたもんか」と悩んでました。そこでつい言っちゃったんです。僕でよければ相手役として立ちましょうか?って

・動作とちょっとのセリフなら大丈夫だと思ってた。

僕はシナリオクラブのカメラマンやっていたので、本番と違って和やかな稽古風景を見てて、そんなに難しく見えなかったんですよ。テレビのトランプマジックとか見て「ひょっとして自分でもできるんじゃないかな」とか思って家で練習しちゃうあの心理。

稽古も和やかだし、まあ立って多少動作とセリフをつけるくらいなら大丈夫だろうと思ってたし、本番の舞台にでるわけじゃないからね。

正直、稽古ですら対峙すると鬼気迫るものだと思ってなかったというのもあるけど。

・竹森、舞台に立つ側の世界を初めて知る。

「OK。じゃあちょっと試しに立ってみて。セリフは全然入ってないと思うから、動作だけやってていいよ!!セリフは僕が読むから!!」

と清家さん。

ちなみに今回の代役は、こたつを持って外を歩いてたら、警察官に職質に合って追っかけられる男性という役。セリフもほとんど読まず、動作主体だしと、めちゃめちゃ甘く考えていました。その甘い考えはボキボキにされます。

演劇って観る側だと「ちょっと立つだけ?まあなんとかなりますって」みたいな気楽さで引き受けられるんですが、他の役者さんと対峙して初めて知りました。舞台で繰り広げられているのは本物の感情のぶつけ合いなんだと・・・

こたつ持って逃げてて職質される役なんですけど、警察官の役が「本気でひっ捕らえに来てる感」がバリバリなんです。めっちゃ怖かった・・・

「下手なことしてみろ。本気で捕らえるぞ」という明確な意思をどストレートにぶつけられたら、本気で怖いし、萎縮するし、結構泣きそうになりました。舞台って怖い・・・

・わかったこと、誤解していたこと。

てっきり、舞台の上で役者は配役の演技をしていて、中身は別物だろうなと僕は思ってたのですが、対峙して初めてわかりました。相手も自分もおそらく「演技している」という感覚がない

  

恫喝するときは、相手に本気で怒りを感じて恫喝してるし、萎縮している時は、本気で怖くて萎縮してるし。

役の殻をかぶるんじゃなくて、役を自分に降ろして同化するのが演劇なのか・・・と肌でひしひしと。

これは、今回体験してみなければ全くわからなかったことでした。

照明を担当してた時、照明のプロから舞台は命がけと言われてましたが、その意味がほんの少しだけわかりました。

【実録】ド素人が気楽に舞台照明を引き受けたら、地獄を見て、プロの偉大さを痛感した話

・同時にちょこっとだけ見えた舞台の良さと楽しさ。

臨時の相手役とはいえ、セリフを言う機会がほんの少しだけあって、そこで初めて知ったことがもう一つ。感情って、自分で作るんじゃなくて、気づくんだ!?ってことを知りました!

例えば、相手が感情をぶつけてくると、勝手に自分の感情が湧き出るんですよ。それをもう素直にセリフとしてドーンって出すと、「あれ、こんな感情出せたんだ!?」ってなるんです。これがシナリオクラブのリーディングクラス(※主に台本を読みあうクラス)で体験してきた事と比べて全然違うんです。

リーディングクラスを体験してた時、自分の中で感情を探して台本にのせてたんです。「辛い」とか「嬉しい」とか「楽しい」とかを探して。でも自分の中であまり出したことのない感情は乗っけられない。

いわば、自分で殻を割って感情が解放させるのがリーディングで、舞台公演のメイキングクラスは、相手が殻をバリバリ割ってくるんです。

清家さん曰く

「リーディングクラスは、台本を読みながらなので、実は間接的なやりとりで、いざとなったら本に逃げれるんです。ところがメイキングクラスは逃げるものがない。真正面からやりあうのです」

あれだけの感情と熱量がストレートにぶつけられて棒読みができたら逆にすごい。相撲のぶつかり稽古みたい。

そしてその激突が、自分の中に眠る感情呼び覚ます。メイキングクラスってすごい。

・本当に表現に悩むならぜひメイキングクラスをやってほしい。

今回相手役を臨時でやってみて思ったのが、もし感情表現に悩むのなら、ぜひともメイキングクラスを体験してほしいと感じました。一瞬だけだったけど、ほんと、楽しかったよ。

メイキングクラスって技術レベルが高いからめちゃくちゃ怖いって思っている方もいると思いますが、そんな方こそやってほしいなぁ。舞台に出る、出ないは置いといて。

普段の生活って、感情をなるべく平坦にして、喜怒哀楽をあまり出さないような生活です。感情を抑えてる人は、感情をどう出していいかわからないし、いざ台本を目の前にしても、「どうすれば良いのかな」ってなると思います。でもメイキングクラスは相手がこちらに感情をぶつけてくるので、こちらも感情をぶつけるしかない。その瞬間、自分の殻がパリーンと割れる。

その時に「あれ、自分にはこんな一面があったんだ」って自信の内面を見つめなおしたり、新しい自分に出逢える瞬間であり、これがメイキングクラスの魅力の一つじゃないかなと素人ながらに思いました。

そんなわけで、10月28日角筈ホールでみんなの舞台がありますので、良かったら見に来てください!

もし、舞台を見て、一緒に立ちたいと思ったら、気軽にシナリオクラブの門をたたいてください!!待ってます!!

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