【演劇関係者向け】演劇の助成金について、解説がなかったので自分で作ってみた。

どうもスタッフの竹森です。

今日は真面目な話、演劇の助成金についてです!!

ちなみにこの記事、我ながらめちゃくちゃ面白くないです。面白くない癖に長いです。

僕は演劇の助成金について、演劇の市場を調べているときに存在だけ知りました。そこで、芸術文化振興基金さんのHPに行って、どんな助成金があるんだろうと思って調べてみたんですが、

わからん!! 難しい!!

よくある企業の補助金のHPと同じくらい難解でした。まあ仕方ないよね。気を取り直して色々調べてみたんですが、いい解説がない・・・

どういうものが応募の対象で、
いくら助成金がもらえて、
締め切りがいつで、
いつ振り込まれるのか!!

という解説をしたサイトがあまりないので、もう自分で作っちゃえというのが今回の発端です。

芸術文化振興基金さんに実際に電話して色々お話聞きました。

ただ、このブログの趣旨は、芸術文化振興基金さんの助成金内容を解説したいだけなので、どうやったら受かりやすいのかではないのでお気を付けください。助成金申請のプロではないので・・・

ちなみに目次の赤文字は重要事項です。

応募条件や提出先、書類ミスすると、問答無用で不採用になるかと思われるので・・・

<目次>

芸術文化振興基金からの「演劇に関係する」助成金の種類
1.舞台芸術・美術などの創造普及活動
2.地域の文化振興等の活動(アマチュアなどの文化団体活動)

助成金について、具体的な話
1.申請から助成金の振込までの流れ
2.応募条件について
・助成対象の条件(舞台芸術・美術などの創造普及活動)
・助成対象の条件(アマチュアなどの文化団体活動)
・活動要件について
3.助成金の金額、対象経費
・助成金の額
・経費の対象内容
4.助成金の対象期間、提出先や期限など
・期間と注意事項
・提出先と期限
5.必要書類について
・「創作普及活動」の場合の必要書類
・「アマチュア等の文化団体活動」の必要書類

最後に

今回は、「舞台芸術・美術などの創造普及活動」「アマチュア等の文化団体活動」の二つの募集案内の内容を要約しています。原本は下記から閲覧できます。

「舞台芸術・美術などの創造普及活動」

「アマチュア等の文化団体活動」

芸術文化振興基金からの「演劇に関係する」助成金の種類

芸術文化振興基金の助成金の中で、演劇に関わるもの二つが2つありました。

1.舞台芸術・美術などの創造普及活動

優れてるけど財政活動が厳しい活動の支援が目的。

プロが、より高みを目指して作品の水準を向上させ、演劇の発展のつながるようにするための助成なので、審査が演劇に詳しい方目線で行われる。採択事例(※一例です)

第19回公演「極東の地、西の果て」

てがみ座 第10回公演『汽水域』

2.地域の文化振興等の活動(アマチュアなどの文化団体活動)

地域住民に文化を広める、楽しんでもらう事を目的とした団体。

アマチュアなどの文化団体活動に、演劇が含まれてました。入場無料の催しでも大丈夫。地域性などを求められるそうです採択事例(※一例です)

結成10周年記念 劇団ドリーム☆キッズミュージカル公演

キッズミュージカルTOSU10周年記念公演

この2つの助成ですが、どちらかにしか公募できません。「両方応募して、どちらか辞退する」という方法はできませんのでご注意ください。他の事例集は下記に掲載されています。どっちが適しているかは団体次第です。「審査基準が違うので、事例集を見ながら応募したほうがいいですよ。」と電話でも言われました。

芸術文化振興基金、助成事業事例

余談ですが、演劇の助成だと、舞台芸術創造活動活性化事業や、国際芸術交流支援事業というのもあります。ただ、条件がかなり厳しかったり、海外公演向けなど条件がやや厳しいものもあります。今回は説明しませんが、ご興味がある方はこちら。

一応、紹介だけ。

演劇ジャンルで募集中の助成一覧

助成金について、具体的な話

1.申請から助成金の振込までの流れ

申請から助成金振込までの流れは「創造普及活動」「アマチュア文化団体活動」ともに全く一緒でした。

  1. 平成30年10月~11月の締め切りまでに「助成金交付要望書」の提出(アマチュア文化団体活動の場合、締め切りは都道府県で違う)
  2. 平成31年3月下旬、通知が届くので採用されたら所定期間内(一か月以内)助成金申請書の提出。(落選でも届く)
  3. 演劇活動を行う(領収書、請求書、契約書、銀行振り込み明細書などの証拠書類は必ず取っておく)
  4. 活動終了後、所定期間内(一か月以内)に「助成金活動実績報告書」を提出
  5. 「助成金支払い申請書」の提出
  6. 助成金の入金
  7. 証拠書類など、今回使った書類を5年間保管

助成金は活動終了後、書類を提出して初めて助成金が振り込まれるので、実際に助成金が手元に入ってくるまで、スパンがかなり長い事に気を付けてください!あと、助成金受け取る際の証拠書類は5年間保存です。処分しないように。

2.応募条件について

・助成対象の条件(舞台芸術・美術などの創造普及活動)

必須の条件:平成28年4月1日~平成30年11月1日の間に日本国内で自ら主宰する有料公演を一回以上実施していること。今回の要望額が20万円以上かかる。


※クリックで拡大できます。

NGな活動はこちら。

 

・助成対象の条件(アマチュアなどの文化団体活動)

必須の条件:過去に日本国内で自ら主宰する公演を実施していること。今回の要望額が20万円以上かかる。


※クリックで拡大できます。

NGば活動はこちら

ざっくり説明すると、「創作普及活動」の条件は、必ず決められた期間に有料公演を行ってること。「アマチュア文化活動」の条件は過去に公演実績があること。両補助金共通の条件は、助成金要望額が20万円以上であること。それ以外はほとんど同じ条件ですね。助成の対象とならないNG条件は、応募する助成金によってちょっと違います。ただ、同時期に他の補助金をもらいながらは活動できないみたいです。

・活動要件について

「創作普及活動」も「アマチュア文化活動」も活動要件があるんですが、(下記は創作普及活動の活動要件)

  • 優れた実績や豊かな将来性を有するが、財政基盤が十分でない芸術文化団体などの創造・普及活動
  • 時代を担うことが期待される芸術家などの芸術文化活動
  • 芸術文化の新たな局面を切り開く先駆的・実験的な創造活動
  • 優れた芸術文化活動で、かつ、その性格上採算が望めない活動

ただ、これって該当するかどうかの判断は?思って電話で聞いてみると「応募にあたって基準がないので、自分たちがそれに該当すると思ったら応募していただいて大丈夫」とのことでした。ただし、審査はこれに基づいてしっかりと行いますとのこと。

3.助成金の金額、対象経費

助成金の上限、対象になる経費も調べてみました

・助成金の額

助成金の金額について、助成対象経費の1/2以下、かつ自己負担金と同額以下の額説明すると、対象経費の半分の額、もしくは自己負担金と同額のどちらか少ないほうが適用されるそうです。具体例として出します。

1.対象経費、300万円 収益0円だった場合(赤字300万円)
300万円の1/2である150万円の助成金支給

2.対象経費、300万円 収益200万円だった場合(赤字100万円)
300万の1/2である150万円ではなく、自己負担費用の100万円を助成金支給

つまり、助成金はあくまでも赤字を負担するだけです。

電話で助成金の上限を聞くと、上限を特に設けていないとのこと。ただし、すべての経費が対象になる例は少ないそうです。また助成金が実際に振り込まれるまで期間が長いので要注意です。

・経費の対象内容

要望書に記入した活動を実施するにあたって直接的にかかわる経費です。

「創作普及活動」の場合

「アマチュア文化団体活動」の場合

基本的には、その活動に直接関わったもので、後に残らないものが対象経費となります。でも申請したものでも審査結果により対象経費にならないことがあり、全額認められるのは少ないそうです。

4.助成金の対象期間、提出先や期限など

・期間と注意事項

助成金の対象期間ですが、平成30年10月3日の時点で、平成31年4月1日~平成32年3月31日までに行われる活動が対象になります。平成32年3月~4月など、年度がまたがってしまう公演は申請できません。

重要:平成31年度4月1日~平成32年3月31日に行われる活動に助成金が支払われます。

そのため、上記の期間外に払った経費は助成金の対象になりません。劇場を借りる時などは前払いになると思います。この期間外に支払うと、助成金の対象外になるのでご注意を。

・提出先と期限

「創作普及活動」の提出期間は平成30年11月1日~11月11日まで。簡易書留による郵送のみ(当日消印有効)

「アマチュア文化団体活動」の場合、書類の提出先は、各都道府県で、締め切りもそれぞれ違うので要注意です。(大体10月下旬から11月上旬)

平成31年度版

※クリックすると拡大図が出ます

なお、枠で囲っている指定都市は、書類提出先が、指定都市でもよいし、県に提出しても大丈夫。なお提出方法はこちらも「簡易書留による郵送のみ」だそうです。

5.必要書類について

「創作普及活動」の場合の必要書類

この赤枠で囲った部分が提出書類です。注意書きは下記参照。細かいのでクリック推奨です。

総表、個表が入った交付要望書、活動収支予算、団体概要、個人略歴、会場資料などの書式は全部芸術文化振興協会のHPにありました。まとめたセットはこちらからDLできます。

募集案内・応募書式等 ダウンロード【舞台芸術・美術等の創造普及活動】

アマチュア等の文化団体活動の必要書類

アマチュア文化活動の注意書きはこちら。(※細かいのでクリック推奨)

アマチュアの場合、総表、個表、活動の収支予算の書き方で、採択、不採択に関わる重要な注意書きがあるので、必ず目を通しておいたほうが良いです。ちょっとだけ説明すると

・無料公演する場合はその理由をきちんと明記すること!
・個表の本活動の企画意図、社会に対する波及効果は具体的に記入すること

電話口でもここはしっかり書いたほうがいいといわれました。
こちらも、総表、個表が入った交付要望書、活動収支予算、団体概要、実行委員等の概要などの書式は、全部芸術文化振興協会さんのHPにあります。DLページはこちら。

募集案内・応募書式等 ダウンロード(アマチュアなどの等の文化団体活動)

最後に

今回は、「アマチュア文化活動」及び「創作普及活動」のざっくりとした概要の説明なんですが、「じゃあ具体的にどう書けばいいの?」という場合、日本芸術文化振興会のHPで説明会の募集を行っています。

応募相談会・説明会【予約制】のご案内

もちろん電話口でも色々と答えてくれます。

助成に関するお問合わせ

僕も補助金関連の書類を書くことがあるのですが、困ったとき、分からない時は問い合わせるのが一番早いです。演劇の世界は、良い作品を作ったり、評価が高いけれども、資金繰りが難しい団体も少なくないのかなと思います。このブログが少しでもそんな団体の力になり演劇の発展の力になればと思って書いたのですが、元々の募集案内が100P に渡る大書類なので、簡潔もまとめるのは難しいです・・・これだけでもむっちゃ大変だったよ!!

この記事が助成金申請のきっかけになればいいかなと思っています。

 

10月10日、第二弾できました。

【演劇関係者向けその2】演劇の助成金書類を本当に書いてみたら、注意事項がたくさんありました。

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