【保存版】演劇の助成金書類の具体的な書き方を徹底的に調べました。

  1. こんにちは。スタッフの竹森です。

前回の助成金の記事、反響があって嬉しいです。

【演劇関係者向け】演劇の助成金について、解説がなかったので自分で作ってみた。

ですが、前回の記事で、演劇の助成金の書類の書き方について全く書いてないことに途中で気づきました。

「これは、あかん!!」というわけで、今回は、実際に書類を書いてみました。

その結果、勘違いしやすいところや、知らないとうっかりしてしまうところがいくつかあり、今回は書類の書き方について調べてみました。

多分、芸術文化振興基金さんに「またあいつか・・・」と思われてる。

相変わらず長いうえにめっちゃつまらない内容になるかもしれません。

今回も、「アマチュア文化団体活動」と「創造普及活動」についてお送りします。募集概要が下記から見えます。

「アマチュア等の文化団体活動」

「舞台芸術・美術などの創造普及活動」

書式のDLはこちら

募集案内・応募書式等 ダウンロード(アマチュアなどの等の文化団体活動)

募集案内・応募書式等 ダウンロード【舞台芸術・美術等の創造普及活動】

ちなみにこの二つの演劇の助成金、書類のフォーマットがかなり似ています。

今回の書類は下記の通り。

1.チェックシート

2.総表

3.個表

4.収支表

5.団体概要

6.個人略歴(創造普及活動のみ)

他にも団体概要別紙、会場資料などがあるのですが、団体概要別紙は実績が書ききれない場合に使うもので、会場資料は特別な会場の場合のみ使うものとの事で、今回は触れません。

また、2つの助成金、記入する書類の書式、数も似ているので書類ごとに解説していきます。

<目次>
1.「チェックシート」について
2.「総表」について
3.ここからが本番「個表」
4.助成金にかかわる「活動の収支予算」
5.「団体概要」について
6.「個人略歴」(創造普及活動のみ)
7.その他の書類
8.最後に

 

1.「チェックシートについて」

このチェックシート、最初に出てくるのですが、基本的に最後に書きましょう。最終チェックするためのものなので。

ちなみにwordで丸をつけようとするとかなりの手間です。ここは素直に印刷した時に手書きで丸つけましょう。そのほうが絶対楽。

記入に際して、パソコン等による作成を推奨しておりますが、やむを得ず手書きで作成する場合は
明瞭に記入してください。また、文字の大きさは9ポイント以上としてください。

と募集案内にも書いてあります。電話して聞いてみましたが、手書きでOKとのことでした。

・それでもwordで〇をつけたい方へ。

挿入 ⇒ 図形 ⇒ 基本図形の〇を選択

書式 ⇒ 図形の塗りつぶしなし

そして、このできた〇をすべての「はい」にコピペして完成です。ここまでするなら手書きでいいと思う・・・

2.「総表」について

ここからはwordとExcelの作業です。

「アマチュア文化活動団体」も「創造普及活動」も書き方は似ているので、基本は住所、氏名、電話番号、団体所在地などなどを書きましょう。法人格を有する場合は押印を忘れないこと、法人ではなくて、押印がない場合は、代表者の印です(代表が佐藤さんなら佐藤印です)右上の日付は書いた日ではなく提出日にすることが注意事項です。

「アマチュア文化活動団体」


住所氏名、連絡先などを記入すればよいのでここは特に問題ないかなと。

「創造普及活動」


創作普及活動の場合、これ1枚で二つの活動を申請できます。
二つの活動を申請する場合は、活動が日付の早い順番から④と⑤に記入しましょう。

ちなみに2活動申請する場合は、後の個表と収支表も二枚必要になります。

3.ここからが本番「個表」

この個表から結構考えて書くことになります。

公演のタイトルやジャンルなどはサクサク書けるんですけどね。「活動の目的および内容」の部分から難しい。

「本活動の企画意図」「本活動の社会に対する波及効果」「本活動の内容」この三つは超重要だと電話でも言われました。青枠で囲ってあるところ)

「アマチュア文化活動団体」

「創造普及活動」

「こういう企画意図があって、こういう波及効果を目指しているから、この公演が必要なのです」という部分を見るとのこと。つまり3つがセットになっており、ちゃんとスジが通っているかを見られるわけですね。そのため、かなり真剣に取り組まないといけない。現時点で決定している内容を記入してくださいとのこと。

とはいっても未来の話。公演の変更の可能性はあり得ます。ケースごとに電話で聞いてみました。

 

Q:公演内容が決まってなかったらどうする?

A:不採用になる可能性が高い

そもそも「企画意図」「波及効果」「公演」で審査を行うので、公演を行うことだけが決まっていて、何の作品をやるかが未定だと審査できないといわれました。そりゃそうだ。ちなみに「シェイクスピアの何かをやろうと思います」という漠然としたものでも難しいらしい。

この書類に書いてある内容を審査して採用、不採用を決めるため、具体的に書いてもらう必要があるそうです。

 

Q:公演の場所が未定です。

A:申請時の第一候補でOK(採用後の申請書類で決定した劇場を記載する形で大丈夫)

「想定していた場所が抽選に外れて使えなかった」というケースは過去の例であったそうです。そのため、場所変更が不採用の原因になることは少ないそうです。

 

Q:役者やスタッフが記入した人と別の人になった

A:役者やスタッフが企画意図に含まれていなければOK

スタッフや俳優の変更例は過去にあったそうです。なので、変更が不採用の原因になることは少ないそうです。

しかし以下のケースは要注意。

「A氏という演出家がこの作品を演出するから価値がある」といった企画意図でA氏が降板。

上記は「Aさんが演出すること」が絶対条件なので、Aさんが変更になった時、採用後でも内定辞退となるケースがあるそうです。

 

Q:公演時期が申請した時期とずれた。

A:公演時期が申請時のものと変わってもOK

会場の変更などで、実施時期が申請時のものと違うことも過去の事例であり、それが原因で不採用になることはあまり無いそうです。

ただし、万が一、年度をまたぐ場合は要注意!!かなり複雑なことになったり、内定辞退になる可能性もあるので注意です・・・

・共催者や後援者の欄について

緑枠線の部分です。

この欄ですが、もし共催者、後援者がいない場合は空欄で問題ないとのことでした。

4.助成金にかかわる「活動の収支予算」

ここら辺から数字の計算が多くなって、めっちゃ頭が痛くなるんですよね・・・

まず、計算が間違えてないか、計算式をミスしてないかが前提条件です。また、「その他の収入」がない場合は空欄でOKとのこと。

「その他の収入」の「助成金.補助金」の欄は、今回の助成金以外に受け取っている助成金があったら書くそうです。

超重要なのは青枠の対象経費です。

大事な事なのでもう一度いいます。

死ぬほど重要です!

「アマチュア文化活動団体」

「創造普及活動」

青枠の部分が対象経費で、助成金に関わる部分です。

演劇の助成金ですが、「対象経費の1/2以下か、自己負担金額の同額以下」です。

この青枠を基に助成金の額が決定するのですが、内定して決定した助成金は増額できないとのことでした。つまり、「対象経費が思っていたよりも余計にかかってしまったので、後から助成金を増額してほしい」というのは無理。逆に「思ったより経費が掛からなかった」場合は助成金が減額されます。「仮で書いて、後で修正すればいいかな」というのは通じないので、かなりきっちりと書いたほうがいいです。

5.「団体概要」

ここからはちょっと気が楽になります。

団体概要の書類は住所、名前、所属している方や役職、これまでの沿革などを記入します。

活動実績と収支表(青枠の部分)注意点があります。

「アマチュア文化活動団体」


アマチュア文化活動団体で、実行委員会がある場合は、あわせて「実行委員会概要」の提出も必要になります。

・活動実績について

アマチュア文化活動団体の場合、過去に公演実績があれば応募できるので主催した過去3年間の公演を記入するのですが、実績が3年以上前の場合は記入せず空欄で大丈夫とのことでした。

・財政状況について

過去3年間の財政状況をきっちりと書く必要があるのですが、財政状況の良し悪しが審査に大きく影響することは無いと言ってました。

「創造普及活動」

・活動実績について

活動実績について、大小問わず書いていただいてOKとのことでした。また団体概要別紙については、実績が書ききれない場合に使ってほしいとのこと。

6.「個人略歴」(創造普及活動のみ)

ここまでくれば、あと一歩で完成です!!

ちなみにこの書類、団体代表者と活動の中核になる方のものと2枚提出する必要があります。(中核者=代表者の場合1枚でOK)

主に住所氏名、連絡先を書きます。

・経歴や受賞歴について

ここに関しては、中核となる方がどのような人物なのかを知るためのものだそうです。個表の内容を補う資料かなと。

7.その他の資料

最後にこちらから用意する提出書類があります。

下記は募集要項に書いてあるものの抜粋です。

「創造普及活動」の場合

・規約等 (1部)

法人格を有する団体:定款
法人格を有しない団体:定款に類する団体規約

・公演・展示実績資料 (一式)

過去に日本国内で主催として公演・展示した実績を確認できる資料(チラシ等)を一式提出して くだ
さい。

・参考資料(任意です)

過去に行った活動の評論記事、写真、図、ステージプラン、チラシ等(A4判1枚)を添付することが
できます。

「アマチュア文化活動団体」の場合

・規約等

法人格を有する団体:定款又は登記事項証明書の写し
法人格を有しない団体:定款に類する規約等(主催者要件を確認できる資料が必要です。)
(注)実行委員会等の形式で応募する場合は、実行委員会等及び中核団体の両方の規約等を提出し
てください。

・ その他

団体構成員の出演、団体構成員に関わる経費を確認するため、団体概要に加えて団体構成員名簿(全員分)を提出してください。
過去3年間(平成28年度~30年度)に助成を受けていない団体は、直近の主催実績を確認できるチラシやプログラム等(実績確認資料)を提出してください。
使用施設の会場使用料の見積書又は料金表を提出してください。料金表の場合は、料金の積算も併せて提出してください。

8.最後に

最後はチェックシートを印刷して手書きでチェックです。最終確認が大切です!!そして、チェックシートも提出します。

また、提出する前に、全書類コピー取っといたほうが良いです!!ここは結構忘れがちなので…

そしてこのブログ、受かりやすさを解説しているわけではなく、演劇の助成金についての書き方のルールについてです。

なので詳しい内容は募集要項を見ると書いてあります。ただ、実際読み込むのも、書類書くのも、簡単にはできないのですが・・・・

でも、ルールを知らないと、せっかく書いた書類が、「申請書に不備があって、不採用になってしまった」ということも起こると思います。

なのでこのブログが役に立って、一人でもそんなことが減ってくれればと思っています。

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