※ややネタバレあり 映画「カメラを止めるな!」メインキャスト「長屋和彰」さんへインタビュー!!

スタッフの竹森です。
本日のブログは、「カメラを止めるな!」で「神谷和明」役の長屋和彰さんへのインタビューです。

長屋和彰

2010年、映画「大奥」(金子文紀監督)で映画デビュー。2011年に桜井亜美監督・岩井俊二プロデュースによる東日本大震災を受け製作された「FUKUSHIMA DAY」にて主演を果たす。その後も「みなさん、さようなら」(13/中村義洋監督)「バクマン。」(15/大根仁監督)「天空の蜂」(15/堤幸彦監督)「イニシエーション・ラブ」(15/堤幸彦監督)等、映画だけでなく舞台やドラマで活躍。
2017年、ENBUゼミナールのシネマプロジェクト第7弾に参加し、同プロジェクトのワークショップを経て製作された映画『カメラを止めるな!』にメインキャストで出演。
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前回の舞台挨拶の際、まさかのシナリオクラブをご存知ということで、メンターの清家さん、羽子田さんと、長屋和彰さんの座談会が実現しました!!

メンター清家栄一

チーフメンター 清家 栄一

メンター羽子田洋子

メンター 羽子田 洋子

今回のインタビューについて、多少ネタバレ部分が含まれております。

また、長屋和彰さん自身の記憶による部分もあり、公式の情報と相違があるかもしれません。ご了承ください。

それでは、座談会の様子をお送りいたします。

<目次>
1.映画撮影について
2.「カメラを止めるな!」のキャストについて
3.長屋和彰さんの役者としての想い
4.「カメラを止めるな!」の観劇とアフタートークついて
5.「カメラを止めるな!」がtwitterで広がったことについて
6.海外の反応について
おまけ.シナリオクラブでワンカットは撮れるのか
7.最後に

清家
「カメラを止めるな!」の映画、面白かったです。僕は2回みました。上田監督はうまいなぁって感心しちゃいました。

羽子田
皆さんがテレビや映画で見るような、どこかで見たような演技ではなく、型にはまらない演技をしていて、すごく面白かったです。すごいことをやってくれたって、見てて痛快でした

1.映画撮影について

清家
撮影が終わったのっていつなんですか。

長屋
1年前の6月ですね。ワークショップが2017年の3~4月だったので全部で8回のワークショップを行って、他になんども集まってリハ―サルをしました。そして土台をキチンと作ってから8日で撮ってます。

清家
8日間なんですね。なるほど。ちなみにワンカットの撮影ですが、どれだけ稽古をやったんですか?ロケ場所と同じサイズの場所で練習などもやったんですか?

長屋
実際の大きさでの練習は難しいので、会議室を借りたり、借りる場所がなかったら代々木公園で練習してました(笑)
ロケ場所でのリハーサルは一日です。俳優の皆さんは色々なところで稽古していて、ある程度、動きと段取りがわかっているんですけど、そこに特殊技術さんの用意があったり、カメラの死角になる場所はどこなのかという打ち合わせで、リハーサルも含めて一日使いました。
スタッフさんの段取りと、僕らが、ロケ場所でどう動くかというための一日でした。

清家
一日の稽古でスタッフさんの準備とかの段取り全部決めたんですか!!すごいなぁ・・・
その切迫感、緊張感は映像にしっかり出てますよね。

舞台って、しっかり稽古して、セリフを体に完全に入れて、その上で本番を待つ期待感があります。でも、カメ止めの撮影話を聞くと、相当な緊張感があったんじゃないかなって思います。
ちなみにワンカットのシーン、何テイクくらい撮ったんですか?

長屋
ワンカットのシーンは6テイク撮りました。
撮影の時は、プレッシャーはありましたが、それよりも成功させよう!!って気持ちがめっちゃ強かったです。それがプレッシャーを上回ってたと思います。

撮り直しした回は、メイクが間に合わなかったり、スタッフの方が映っちゃったりで2テイクがNGでした。実際に最後まで撮れたのは4テイクですね。余談ですが、2テイクのうちの1テイクは転ぶシーンのところで、転んだ拍子にカメラマンさんがrecボタン押しちゃって、うっかり録画が切れてしまったミスがありました(笑)
劇中の転倒シーンはリハーサルの時に、本当に転んじゃったら、監督が「これ面白いから入れよう」ってなって急きょ取り入れたんです。
ちなみにセリフを失敗して止めたというのは無いです。

清家
4テイクでOKが出たということは、その中で一番良いカットを選んだんですか?

長屋
一番最後のカットが採用されました。撮影開始前から、上田監督は「何かイレギュラーがあったらおもしろいな」と思ってたらしいです。そしたら最終カットに一番イレギュラーが集中して、採用ということになりました。
カメラに血が飛んだり、俳優さんが出てこなくて、本当にアドリブでつないだりしていました(笑)
一番リアリティとライブ感があったんじゃないかな。

清家
あの血を拭くのいいですよね!普通は、ああいったトラブルを嫌がりそうなのに。上田監督はお客さんの心理をしっかりわかってますね!

長屋
後で聞いたんですけど、上田監督も、カメラマンさんも「血がかかったらいいな」って思ってたらしいんです。実際に起きる可能性があったんですが直前の3テイクまで一切起きなかったんです。「これは起きないかな」と思ってたら、最後のテイクで起きて、すごくテンションが上がったって言ってました(笑)

僕らも芝居に夢中で、まさかそんな風になっていると思ってなかったので、完成した映像見て「え、これいいんですか!?」って尋ねたら、上田監督が「うん、こっちのがいい」ということで採用になったんです。

清家
あの真に迫った感じが良かったです。

長屋
イレギュラーといえば、人間ピラミッドのシーンで僕が加わるのもそうですね。台本上は自分が加わったところはAD役の合田さんだったんですが、練習の段階で、女性では支えるのが難しいとなったんです。男のほうがいいってことで、空いていた僕が急きょ入ることになったんで、あとはどのタイミングで入っていくかを決めてました。
そういう現場での演出の変更がありました。

セリフなんかは「てにをは」を変えて、自分の言葉にしても大丈夫でした。
台本は監督が書いて、撮影中に起きたハプニングとかイレギュラーな部分で面白いものを取り入れてました。その結果、台本とちょっと変わってきたりしてます。
ちなみにパンフレットの最後に決定稿がのっているんですけど、結構違ってたりします。

また、前半と後半、実は別撮りです。セリフとかもよく聞いてみると、「あれ、セリフ違う」ってなります。きちんとしたスクリプターさんがやってくれたりしてたら、そういうところは合わせてたかもしれませんが、スタートはあくまでも自主映画だったので、ライブ感を大切にしたかったんですよね。もし気になったら、よーく聞いてみると、「あ、違う」ってなります。

長屋
ワンカットの撮影では、追いかけてたカメラマンさんが一番大変だったと思います(笑)
カメラマンさんはずっと一人でやってますし、例の切り替えシーンで、中の人変わったという演技もしてますからね。

清家
ワンカットで撮ってるカメラって、本当に一台のみだったんですね。

長屋
本当に一台のみです。最初のリハーサルでは、息切れして、カメラの音声にも声が入ってしまったんですが、一回やったら「慣れたよ」って言って、一切息切れせずにやってました。ちなみにあの時の音声、後入れとかじゃなくて、全部その場の音です。地下道とか、動線上、音声さんが入れないところだけはカメラのマイクだけでやってます。音声の後撮りとかは一切してないです。

清家
僕、ワンカットの時、どこかで切ってワンカットのように見せれるんじゃないかなと思って見てたんですけど、本当にワンカットなんですね。

長屋
最初はカメラマンさんも、室内から外部にいくと、光の調整が難しいので、「このシーンで切ってワンカットのように見せる」といった提案もあったんですよ。でもそれをやってしまったら、「カメラを止めるな!」と言っているのに、カメラを止めてしまってることになるし、ワンカットじゃなくなってしまう。それはダメだし、上田監督のこだわりもあって、本当にワンカットで撮影してます。
よく「ここで切ることができる」って言われることもあるんですけど、正真正銘、ワンカットです。

2.「カメラを止めるな!」のキャストについて

羽子田
上田監督のインタビューで、「キャストには、経験豊富で芝居に安定した芝居をするタイプと、芝居が “不安定”で何が起こるかわからないタイプがいる」と、言ってた記事を読みました。

長屋
37分のワンカットでは、芝居経験が豊富で安定している人と、面白い動きをしてスパイスになる人をミックスしてやっていました。

例えば、スパイスになる人って、毎回その場の空気に敏感に、繊細に反応してるので演技が変わるんですよ。だから受けてるこちら側は「間なのかな」とちょっとドキドキしたりしました。だから「大丈夫かな」と本当に焦る場面がリアルさにつながったんだと思います。まさにいい感じのスパイスですよね。

上田監督による配役のバランスが絶妙なんです。安定している人が多かったら安心して見れちゃうし、スパイスの人が多すぎたら、成り立たない危険もあるし。

清家
監督の中には、きっちり絵コンテ書いて、その通りにやらないとだめって方もいますけど、真逆なんですね。

羽子田
アクシデントやイレギュラーが作品のイメージ膨らませたりするのかな。
だから他の俳優さんのリアルさも出てくるのかもしれませんね。
何かトラブルが起きても、そこを叱ったりしないんですか?

長屋
トラブルが起きても、「このトラブルをどう使おう」って考えてるって聞きました。
だから、けっこう笑って見ていたことが多いんじゃないかな。

清家
トラブルも武器にして作り上げるタイプなんですね。

羽子田
あれって上田監督さんの演技指導みたいなものってあったんですか?

長屋
これといった指導みたいなものは無かったですね。上田監督がインタビューで言っているように、一人一人の役が「あてがき」のような感じでした。

そのため、下手に何か言ってしまうと、その人らしさが失われてしまうとのことで、何も言わず、好きにやらせる感じでした。
ただ、男優役の僕と、女優役の女の子は、ワンカットの世界と日常の世界を真逆にしてくれって言われてました。そこだけギャップがあります。また、ギャップがある役を演じたとき、そんな難しく考えず、二つの役をやっているって感じでしたね。
37分ワンカット内で想定外が起きているときのリアクションは、役の境界を探りながらやってみてました。

羽子田
長屋和彰さんは、劇中では、「設定に不満をもっている」ような感じだったじゃないですか。
現実でもこんな性格だったら、話すときにどうしようって考えちゃいました(笑)

長屋
よく言われます。(笑)
「あてがき」って言われてるんですが、キャラが全然違うって言われます(笑)
舞台挨拶の初めの頃、僕は上田監督から「いけ好かない面倒臭いキャラはあてがきじゃないよ」って言ってほしいなとおもってたんですが、途中から「まあいいかな」と思っちゃいました(笑)
会って話したら分かってもらえるかなと。

清家
僕は最初の不遜な感じと、最後の一生懸命な感じ、ギャップが面白いし、最後の笑顔が素敵でしたね。「やりきったぞ!!」っていう笑顔。

長屋
あの時の笑顔はみんな素の表情です(笑)
ちなみに、僕が演じていた俳優が一番お芝居ができる設定なんですよ。だから何かのトラブルに反応できる役であってほしいってのがありました。
メイク役の方はブランクで、そういうのにうまく反応できない。
女の子はアイドルなのでトラブルには対処できない役と言われてました。

清家
監督役の方もすごかったですよね。
前半は、お芝居を見ながら「あれ?」って思ったけど、後半を見て「そういう意図があったのか!!」とびっくりしました。

長屋
本人はかなり計算して作ってるんだと思います。わざと大袈裟だったり、下手そうに。

清家
監督役の方の素はどんな感じなんですか。

長屋
濱津さんは優しいし、みんな大好きですよ。

清家
あの髭は、役のために生やしたんですか?

長屋
実はあれ、面白い話があって、上田監督から「髭を伸ばしてほしい」って言われてたんですよ。
で「加減を知りたいので、毎日朝、写真を撮っておいてほしい」って上田監督から言われてたんですけど、濱津さんが上田監督に送っても一向に連絡が返ってこない。2週間分くらいの髭を伸ばしたんですけど、監督から「そんなこと言ったっけ?」って忘れられてたらしいです。写真を見ると2週間くらい撮りためしてましたね(笑)

清家
現場ムードがすごくいい中で作られているのが分かりました。
作品に雰囲気や空気って反映されますよね。

長屋
現場は楽しかったです。「カメ止め」は毎回、現場に行くのが楽しかったし、終わりが近づくと名残惜しかった。そのみんなが楽しかった空気感を作品に反映できていると思います。

羽子田
舞台の現場は、厳しいことが多いので(笑)いいですね。
皆さん、仲がすごく良いんですね

長屋
そうですね。家族みたいなかんじです。
プライベートで遊んだりすることは多くないけど、
集まったら話するし、仕事関連で一緒に呼ばれたりすることもあります。この一年半、同じ人たちとこんなに会う機会が増えるとは思わなかったです。

3.長屋和彰さんの役者としての想い

長屋
僕は、最初はエキストラをやってたんです。その中で近場の役者さんを見てて、言われてやるより、自分で動けるようなものがやりたいなと思ったんです。でもエキストラで自分が動いたら、それはもうエキストラじゃないなって。
そこで、何をやればいいかわからないから事務所に入ったんです。そこから右も左もわからない状態で我流で演技を学んでいきました。

「カメ止め」はワークショップから作った映画で、僕は「誰かに見てもらわないと、このまま埋もれていってしまう」という焦りがあったんで、そのワークショップのオーディションを受けたんです。運良く上田監督に見てもらって、という感じです。

清家
人生の分かれ道ですね・・・

長屋
上田監督は最初、何も決まってない段階で、「30分くらいのワンカットを含んだ映画をやりたいんだよね」って言ってたんです。一回も止まらずやりきる30分間、やってみたいなと僕も思いました。
そのあと、ENBUゼミナールで「エンブオブザデッドという、紙一枚くらいの台本があって、ハンディカムでまわしつつ、会議室みたいなところで撮ったりしてました。
外に出すのではなく、皆んなが出る側と裏方側をやっている姿を上田監督が見たかったみたいです。
上田監督としては、「配役をどうしよう」「どういう風に進行していくか」というのを考えながら観ていたんだと思います。

羽子田
自分ではこんな役をやりたいっていうのはあるんですか?

長屋
最初、ワークショップの頃は、影のあるような、自堕落な役をやってみたいって思ってました。でも今は、この年齢、この見た目でしかできないものをやりたいです。
年齢を重ねることでできるものと、できなくなるものがでてくると思うんです。それなら今できる役をやってみたいですね。

羽子田
なるほど。この先は映画の俳優さんとしてやる感じですか?

長屋
ちょっと前までは、映画が好きだったので映画を軸に、と考えていたのですが、最近、指名でオファーをいただけるようになったのが、すごく光栄なことで。
そのため、もっとお仕事を大事にしようと思っています。だからスケジュールが合う限り、なんでもやりたいという気持ちが強いです。
また、役者で食べていきたいけど、それすら叶えられてない今の自分もいます。
ただ、お芝居しかできない人間にはなりたくないというのもあります。
色々なことにチャレンジしていきたいし、もしタイミングがあって、道が開けた時に、何でも飛び込める人間でありたいですね。

長屋
もしベテランの皆さんに聞けるなら、ワンシーンしか出ない役での役作りってどうされてます?
出演が少ない役になればなるほど、役を作るために台本から拾えるものって少ないと思うんですよ。
その中でどうされてますか?

清家
役にもよるけど、舞台に出て、何かを言うじゃないですか。その出る前に、この人は何をしてたんだろうなって考えます。その前に何をしていたのか、走ってきたのか、歩いてきたのか、空腹なのか、慌てているのか、それが分かるようにと考えています。本の中に書いてないけど、想像で膨らませます。

あと逆をやることかな。普通と違う方法でやって成り立たせる方法ですね。
逆の例として、近松物語で、平幹二朗さんと菅野さんが親友という設定なんです。その中で、平幹二朗さんが、菅野さんに借金をしに行くんですね。久しぶりに親友が訪れたと思った菅野さんは、平幹二朗さんの借金の話を聞いて、「はぁ~」って頭を抱えるんです。お客さんから見ると、「ああ貸せないんだな」「久しぶりに来たと思ったら借金の話かよ」っという風に見えるんです。ところが菅野さんは
「はぁ~お前なんて水臭いんだ。そんなこと気にすんなよ~」って芝居を見せるんです。
これで芝居がより深まるんです。
「逆をやってなりたたせる」という一例です。

他の例だと、人を殺して、顔隠して舞台に現れる。「ウゥゥゥ」と言いながら入ると、お客さんからは「泣いているんだな」って思えるんですが、実は「ウゥゥ..ククク・・・ハハハ」って笑ってた。声は泣いているようにきかせながら、笑ってたっていう手法も逆の一つです。なりたたせるのが難しいですけどね

長屋
難しいですね・・・

清家
芝居って難しいと思うと無限に難しくなっちゃうから「面白い」「やりどころ」と思う感覚も必要かなって思います。

羽子田
いい芝居するときは、ノイズを一緒に入れる手法もあります。「お前のこと大好きだよ」ってセリフがあったとしても、現実はそのまま言わないじゃないですか。本当に好きだったら、ちょっと口ごもったり、噛んじゃったりしてはっきり言えなかったりしますよね。
そうやって濁したほうがよりリアルだったりするときもあります。

清家
今の時代はもしかたら表現方法が違うのかもしれませんけどね。

長屋
僕は、映画監督のワークショップに一年間行って学んだり、俳優座の研究所で学んだり、色々なものを見聞きして、取捨選択して構築したのが自分の演技の原点なので、我流なのかなって思います。でもその部分は、自分の弱点でもあるのかなって思います。
あまり舞台をしてきてないっていうのもあるので。映像の枠の中にはまった感じです。

羽子田
でも、我流ってのがいいのかもしれないですね。型にはまらないほうがいいのかもしれません。
あの「今日行っていい?」ってぽっそり喋る感じ、とても良かったです。
藤原竜也さんも、初めてのオーディションの時、どこかでレッスン受けたとかじゃなくて、我流の演技でした。ものすごい度胸。それが逆に良かったんだと思いますよ。印象的でしたね。

清家
僕が以前、小栗旬さんと話したとき、若い人でシェイクスピアの文体を体を通してできる人って少ないって言ってました。シェイクスピアの洗礼を受けると、ものすごくステップアップするって言ってましたね。

羽子田
私は発声練習やるよりも、ギリシャ悲劇をやったほうがスキルアップになりました。言葉を前に置くようにやる芝居です。
ギリシャ悲劇を演じることで、気持ちと一緒に言葉ができるようになるんじゃないかな。

羽子田
セリフって、対象がはっきりしててかけるものだから、実演でやるからできるのもあるんだよね。
私は、あの「今日いってもいい?」ってぽそって言うのができないし、ああいうの、良いですね

清家
あれは舞台だと聞こえないかもしれないけど、映像の場合はリアリティがあって、すごくいい感じです。

長屋
見せるものであるから技術は必要なんですが、想いも重要ですね。

清家
何か弱点があっても、それを個性や味にする人もいます。
そういう意味で「カメ止め」は色んな人が居てめちゃくちゃ面白かったですよ。

羽子田
「カメ止め」の一人一人に人生がありましたね。めちゃくちゃ面白かったです。
人生が見えてくるような感じがあって。

4.「カメラを止めるな!」の観劇とアフタートーク

羽子田
何度も見てると、笑いどころが分かってる人が多いですよね。

長屋
最初の頃は、リピーターの方は笑うのを我慢してほしいってtwitterとかで言われてたんですけどね。今は自由に見ていただいて良いと思っています。ここまで広がったら何も言えないですからね。

長屋
アフタートークは「行って」っていう強制でも、義務でもないんですよ。僕たちが自主的に行ってるんです。
お客さんが来てくれてありがたいし、生の声が聞けたら嬉しいし、行ける人が行ってます。もちろん、行うときは劇場さんにお願いする形で。
他の映画との兼ね合いもあるので、時間の合間を見ながら、劇場さんにご迷惑がかからないようにという感じでやらせてもらってます。
オデヲンさんは、自分が働いていることもあって、快くやらせていただきました。
劇場に行くと、お客さんの生の声が聞けるのがいいですね。そういう体験ができるのはありがたいです。

5.「カメラを止めるな!」がtwitterで広がったことについて

長屋
実は去年の11月、お披露目の時、全員がSNSやっているわけではなかったんです。ただ、全員が一丸となって宣伝していくにあたり、本当にすごい武器になるんだなって実感しました。竹原芳子さん(現どんぐりさん)もTwitter難しいって今も言ってますね。
まわりに教えてもらいながら頑張った結果かなと思います。勝手な想像ですが、有名な方って、公式認定されているから、簡単に「いいね」とかつけれないのかもしれないなと思ってます。
僕らは、映画の感想があったら、「ありがとう」って思いながらどんどん「いいね」つけてます。「ありがとうございます」って返信もどんどんします。そしたら、お客さんも楽しんでくれますしね。
それでどんどん広がっていったのかなって思います。今の時代、SNSは武器だって本当に思いました。

清家
でも他の人に勧めても「ゾンビ映画だから」ってちょっと遠慮されることがあるんですよね。

長屋
やっぱりそこはよく言われますね。最初の頃も、どう宣伝しようか迷ってました。詳しく言うと作品のネタバレになっちゃいますからね。
だからやっぱりゾンビというしかなくて、ゾンビというと、「ああゾンビか」って言われるんですよね。でも、これはこれでいくしかないって感じでした。

でも僕たちが何も言わなかったんですけど、見た人が、「これはめっちゃ面白い。言ったらネタバレになるから、何も見ず観にいってくれ」みたいにお客さんがみんな隠してくれて、今も僕らが何もいってないけど隠してくれててすごいなって思います。

清家
映画の面白さをわかっている人は、それは言わないですね。
見たあとに語ろうぜってスタンスですよね。

長屋
すごい人は、ポスターも見るなっていうのありました。
ポスターも実はネタバレっぽくなるから、「ポスターも見ずに、ただ映画館に行ってチケット買ってこい」みたいな。何を見るかわからない状態で行ってくれるなんてすごいなって思いましたね。でもありがたかったです。
もしどんどんネタバレしてたら、「じゃあ行かなくていいか」ってなる人もいたと思いますからね。

清家
僕は「客席の真ん中から前で観るな」と言われましたね(笑)
酔っちゃうので。

長屋
そうですね。前で観ると三半規管が弱い人だと、酔っちゃうかもしれませんから気をつけてください。

6.海外の反応について

羽子田
海外のお客さんって日本と全然違うんです?

長屋
僕、スペインで開催された映画祭にいったんですけど、海外のお客さんって、最初からすごい笑うんですよ。首が飛んだり、血が出たりするだけで「うぉぉーー!!」って盛り上がるんですよ。それでちょっと静かな部分に入ると「早く血がとばねーかな、早く首とばねーかな」って待っている感じがするんですよ。で、血が飛ぶと沸くんですよね。

その映画祭はホラーやバイオレンス等を集めたような映画祭だったんですが、盛り上がりはこっちよりすごいですね。真っ暗の中、スタンディングオベーションでした。

清家
向こうってほんとにゾンビもの好きですよね!!
本当に廃れないですよね!

長屋
ある種、文化としてあるんでしょうね。日本だと、ゾンビものってB級扱いになりがちですが。

清家
向こうってゾンビものでも一流俳優使いますからね。土葬文化の影響があるかもしれませんね。

長屋
あと、上田さんも言ってたんですが、この映画は海外でも、みんなに受け入れられるんで、独りぼっちにならないんですよね。
「カメ止め」はみんなが受け入れてくれるんですよね。だから仲間外れにならないんですよね。
そして海外の人は、日本の有名や無名関係なしに、作品が面白ければOKという感じなんですよね。そこは海外の人たちの受け入れかたがいいですよね。

今はアジアがメインですが、普通に上映してくれるし、ヨーロッパやアメリカでも広がってくれるとうれしいですね。
あと海外に行ったとき、あのTシャツを着て歩いていると「ウォォ!!」「写真とってくれないか!!」って言われるんですよね。やっぱうれしいです。今もうTシャツほとんど売り切れちゃってるんですけどね。ありがたいことに(笑)

おまけ:シナリオクラブでワンカットは撮れるのか

長屋
物によってはできるんじゃないかな。しゃべる芝居とかなら。
「カメ止め」が難しいのは、ゾンビになったりする特殊なことをやってるから難しいって感じだと思います。

7.最後に

清家
「カメ止め」の次の作品が大変かもしれませんね・・・

長屋
上田監督はあまり気にしないって言ってました。自分が楽しいものを作るって言ってたんで。周りは気にしているかもしれませんが。

清家
これからが楽しみですね。
今日は本当にありがとうございました。

長屋
本当に楽しかったです。ありがとうございました。

羽子田
長い時間、お疲れ様でした。私もすっかり長屋和彰さんのファンです。
長屋さんらしいお芝居を楽しみにしています。

 

「カメラを止めるな!」メインキャストの長屋和彰さん。作品上の「神谷和明」と違い、物腰が柔らかい好青年でした。

11月16日、21:30~のTBS「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」に、上田監督とも出演されるそうなので、是非ともご覧ください!

長屋和彰さんの今後の活躍に期待しています!!

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